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展覧会の絵
第十六話 最後の審判その三
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「そうですね。それは」
「君はそのことについて自分では何が根拠にあると思っているかな」
「心を見ているからでしょう」
 それ故にだとだ。十字は先生に答えた。
「絵にある心を」
「心を見ているから?」
「はい、僕は絵柄を見てはいません」
 これはその通りだった。十字は常にその絵の絵柄といったものは意識して描いてはいない。彼にとって絵柄は見るべきものではないのだ。
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