262 二度目の取引
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れる時にフローレンスは再び佐々木と西川のいる部屋に入った。
「朝食は如何でしたか?」
二人共無言だった。
「まあ、私が来ましたのは食事の感想を聞きます為ではありませんからね。それでは本題に入りましょうか」
フローレンスは一呼吸してから話を続けた。
「それでは以前赤軍の皆様が日本政府と取引を行いました時のようにまた私達と取引を行わせて頂きます」
フローレンスは二人のトランシーバーを用意した。
「貴方達のリーダーであります重信房子や戦争主義の世界の長でありますレーニンに連絡をお願い致します」
西川も佐々木も要求に応じるしか選択肢がないと思い、フローレンスから返されたトランシーバーで赤軍や東アジア反日武装戦線の面々、そしてレーニンにも通信を繋げた。西川が話を始める。
「こちら赤軍西川純。今平和主義の世界の長の前で通信を繋げている・・・」
「取引をお願い致しますと言ってください」
フローレンスの言われた事を繰り返すように西川は言い続けた。
「その長から取引を頼まれた」
「内容は西川純と佐々木規夫さんをそちらにお返しします条件として・・・」
「私と佐々木を返す条件として・・・」
「我々の世界との戦いを終戦とさせて頂きます為に戦争主義の世界の方々も含めまして撤退をお願い致します」
「この世界の戦争を終わらせる為に撤退をお願いするとの事だ・・・!!」
『何ですって!?』
この言葉に叫んだのは重信房子だった。
『貴女達にとって都合が良すぎるわ!!』
「そちらこそ日本政府に対しまして都合の良すぎる条件を出しましたではありませんか?」
『うるさい!』
「それでは要求に応じませんという事で宜しいですわね?」
『・・・!!』
房子は何も返答せず通信を切断した。
(どうやら本部守備班にもこの危機を呼びかけました方が宜しいですわね・・・)
だが、再び房子が通信を再接続し、応答させる。
『こちら重信房子。了解、要求に応じるわ』
「そうですか。それでは西川純と佐々木規夫をそちらの方まで連れていきます」
だが、フローレンスは赤軍の長が要求を完全に呑んだ訳ではないと読んでいた。
(どちらにしましても本部守備班に連絡しませんと・・・)
レーニンと杉山はフローレンスと赤軍達の会話をトランシーバーを通して一部始終を聞いていた。
「フローレンスが交換条件を出してきたぜ。要求をそのまま呑むか?」
「馬鹿馬鹿しい。一度赤軍が政府と取引を行った際にも裏で工作をしていたではないか。容易く要求を呑むわけにもいかぬ」
「だが、捕虜になった奴をそのまま見捨てる気でいいのかよ?」
「貴様、また奴等の元へ寝返ろうというのか?とんだコウモリ野郎が」
「ちげえよ。こっちも騙し討ちで返せばいいんだ。何しろあいつらも捕虜を返しに来る
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