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展覧会の絵
第十六話 最後の審判その一
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 雅は走りつつ微笑みながら話してくる。
「何でも。スポーツの基本は」
「武道でもだよね」
「ランニングよ。それに基礎体力よ」
「そうだよね。このランニングの後は」
「サーキットトレーニング。それもしましょう」
「そうしよう。あとは」
「ストレッチもね」
「お昼休みだからそこまで時間あるかな」
 猛は時間のことは少し苦笑いになって述べた。
「あったらいいけれどね」
「そうね。じゃあサーキットトレーニングは止めておく?」
「ストレッチだけだね」
「ええ。怪我をしたら駄目だから」
 身体をほぐすというのだ。ランニングの後で。
「それに身体の柔らかさもね」
「そうそう。武道には必要だよね」
 二人で青空の下を走っていた。その顔は明るく一点の曇りもなかった。彼等を見て本当に校内の誰もが驚きを隠せなかった。それでまた言い合うのだった。
「何がどうなのか」
「一気に彼氏彼女の関係になったよな」
「ちょっと。これって」
「何なのかしら」
「まあ。それでもな」
 確かに驚いていた。しかしだった。
 彼等はその四人を笑顔で見ていた。彼等のその笑顔を見てだ。
 幸せがそこにあった。だがそれを快く思わない者達もいた。
 四人は屋上でその走っている猛と雅を見下ろしながらだ。共にいる雪子に言った。
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