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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
146話:奇跡は望まず掴むもの
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るのを見たキャロルは、あれが最大の攻撃であると察し颯人達への攻撃を止め獅子機の全エネルギーを集中。砲撃として獅子機の口から一気に解き放った。
「奇跡は殺す、皆殺すッ! 俺は、奇跡の殺戮者に……!!」
放たれた砲撃が響を飲み込もうとするが、響はその砲撃をギアが変形した巨大な掌で受け止めた。
「なっ!?」
「繋ぐこの手が、私のアームドギアだッ!」
獅子機の砲撃を受け止め、拳を握りしめる。キャロルはその光景に更に力を上げて粉砕しようとしたが、直後に全身に走る虚脱感に見舞われた。
「ぐっ!? こんな、時に……!?」
最初遂に魔力が切れたのかと思ったキャロルだが、脳裏に次々と浮かんだ光景に目を見開く。
それは、父との想い出。優しく温かだった、輝かしい記憶が次々と脳裏に浮かんでは消えていく。
「ぁ、あぁ……違う、これは……!? 俺を止めようとするパパの想い出ッ!?」
キャロルの中に残っていた、父への愛情と言う人間らしい感情が最後の一戦を踏み越える事を引き留めていた。優しい父の笑顔が、その言葉が、これ以上のキャロルの暴挙を止めようとしていたのだ。
しかし、もはやキャロルに止まるつもりは毛頭ない。否、最早止まれぬところまで来てしまっていたのだ。
今の彼女にとって、その父との想い出すら煩わしいものとなってしまっていた。
「認めるかッ!? 認めるものかッ!!? 俺を否定する想い出などいらぬッ!? 全部燃やして力と換われッ!?!?」
己が想いを貫き通す為、キャロルは残された父の想い出も全て燃やし尽くそうとした。
だがその時、その想い出の中にハンスの姿が混じった。
「ぁ…………」
平和だった頃の、ハンスとの何気ない日常。彼と過ごした日々、暖かな時間。
父の想い出を燃やせば、それすらも燃えて無くなってしまう。そう考えた瞬間、キャロルは冷水を流し込んだように体の芯が冷えるのを感じた。
「だ、駄目だ……これを燃やしたら、ハンスの事も忘れてしまう……ハンスは、俺を肯定し続けた、俺を支え続けてくれた。それを、俺自身の手で否定するなんて……そんな、そんなの…………!?」
ハンスは、どれだけ己の想い出を焼却しようとも、決してキャロルの事だけは忘れなかった。彼の愛が、キャロルとの想い出だけは何が何でも死守していたのだ。なのに自分がそのハンスの想い出も纏めて焼却する。そんな事が出来る程、彼女は人間性の全てを捨てきれていなかった。
想い出の焼却を取り止めたキャロル。それにより一瞬沈黙した獅子機であったが、次の瞬間獅子機はキャロルの制御を外れて勝手に動き出した。
「え? な、何だ? 何で…………はっ!?」
ふと下を見れば、透により安全な場所に運
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