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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
146話:奇跡は望まず掴むもの
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ッ!」
エルフナインが泣いている。その事を響に伝えたところで、どうにかなるものではないと分かっていても、洸はそれを伝えずにはいられなかった。
そしてそれを聞いた響は、改めてキャロルを見て気付いた。キャロルもまた泣いている。父を失い、共に歩んできた男の子を失い、一人ぼっちで寂しくて泣いている。
そんな彼女を見て、響が考える事は1つだけであった。
「泣いている子には、手を差し伸べなくちゃねッ!」
「何もかも、壊れてしまえばッ!!」
響の見ている前で、キャロルはアルカノイズ達に攻撃を命じた。その命令に、アルカノイズ達は一斉に行動を開始し目に映る全てを手当たり次第に破壊し始めた。
一見目に見える全てを破壊しているように見えるキャロル。だが響達の目には、それはただ子供が泣いて暴れている様にしか見えなくなっていた。
「翼さん、奏さん!」
「分かっている、立花……!」
「上等、やってやる!」
「スクリューボールに付き合うのは、初めてじゃねえからな!」
刀を、槍を構える翼と奏。クリスはアームドギアを変形させ、大型の飛行ユニットを背負いその上にアーマードメイジの透を乗せた。
「その為にも、散開しつつアルカノイズを各個に打ち破るッ!」
「ハァァァァァッ!」
マリアの言葉を合図に、装者達が一斉に散って攻撃を開始した。
一番槍の響は右腕のガントレットを槍のように変形させ、アルカノイズの群れに突撃する。唄と共に突撃し、腕を振るえばその衝撃波だけで周囲のアルカノイズが粉砕され、突撃すれば進行ルートのアルカノイズが次々と塵になっていく。
その下の方では、切歌と調が互いのアームドギアを合体させた巨大な円盤の様な兵器に乗り地上のアルカノイズを次々と切り裂いていく。
(あの子達も、私達と同じだったんデスね)
(踏み躙られて、翻弄されて……)
一見すると遊んでいる様にも見える2人だが、斬撃と言う点において他の追随を許さない2人のギアの合体兵器は凄まじい攻撃力を持ち、アルカノイズを寄せ付けず進行方向のアルカノイズは片っ端から細切れに切り裂いていった。
(だけど、何とかしたいと藻掻き続けて……)
切歌と調は、キャロルとハンスに親近感を感じていた。世の理不尽に立ち向かい、足掻くその姿には覚えがある。
だが2人とキャロル達で、決定的に違うのは諫めてくれる存在の有無。共に同じ悲しみと苦しみを抱く者同士が、傷を舐め合いながら茨の道を歩み続けた結果、キャロルは全てを失ってしまった。そこが切歌と調、そしてマリア達との決定的な違いであった。
(私達は幸せ者だ……だからこそッ!)
マリアが光のチェーンで繋がった剣を振るい、大型のアルカノイズを一刀両断する。マリアは自分達
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