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星河の覇皇
第八十三部第二章 撤退の果てにその四十二

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「観ていきましょう」
「それが我々の任務です」
「食器一つでもです」
「そうしていきましょう」
「連合の食器は」
 皿やフォーク、箸といったものはというのだ。
「随分質がいいですからね」
「陶器も違います」
「プラスチックや紙のものも」
「紙だというのに幾らでも再利用出来るのは凄いです」
「洗うことも出来ますし」
 そうした紙の食器も連合では実用化されているのだ。
「この技術を見て」
「隙があれば拝借しましょう」
「捨てるものならゴミ箱から拾えばいいです」
「ゴミ箱から取れば」
 そうすればというのだ。
「何でも得られます」
「ゴミ箱は何か」
 こうした話もした。
「只ゴミがあるだけではないです」
「そこには時としてお宝があります」
「しかも高価なお宝が」
「我々から見れば」
 まさにというのだ。
「そうしたものがありますので」
「だからですね」
「我々としても」
「ゴミ箱から貰えばいいですね」
「ゴミですから」
 それでというのだ。
「捨てるものなら」
「別に拾ってもいいですね」
「ならです」
「貰っていきましょう」
「ゴミは捨てるだけのものではない」
 決してというのだ。
「時にはお宝が中にあり」
「再利用もしていますね」
「連合はそちらの技術もかなりのものです」
「なら我々も」
「ゴミを拾っていきましょう」
 こう言ってだ、そしてだった。
 彼等は今は眠気と戦っていた、おもてなしを受けつつも彼等は戦っていた。それも軍人としてそうしていた。
 それで秘かにゴミ捨てを自ら買って出てそこからこれはというものを手に入れていた、これはタイ軍も気付かなかった。
「いや、悪いな」
「ゴミ捨ててくれるとかな」
「いい人達だよな」
「マウリア軍も」
 若い兵士達もこう言った、だが。 
 彼等に一等曹長の階級の五十位の男が怒って言った。
「おい、相手はお客さんだからな」
「だからですか」
「それは、ですか」
「するな」
 絶対にというのだ。
「どうしてもと言ってな」
「はい、ですが凄かったんですよ」
「徳を積ませてくれとか言ってきて」
「それも銀河語で丁寧に」
「何度も何度もそうしてきて」
「しつこい位だったんですよ」
「それでこっちもです」
 自分達にしてもというのだ。
「それならとなって」
「もう仕方ないなって」
「すがりついてきたんですよ、実際に」
「しかも俺達より階級上の下士官の人まで」
「?やけに必死だな」
 一等曹長は兵士達の話を聞いて眉を顰めさせた。
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