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イナズマイレブン〜クロスライジング〜
雷藤 頼斗
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先は気を失ってしまった。





俺は病院で目覚めた。

全身の激痛。
だが、そんな痛みより先に俺を動かしたのは。

「真紅は!?遥香は!?」

バッ!!っと起き上がりナースコールを押す。

「目が覚めたんですね」

先生と思われる髭に生えた男性。
俺は二人に安否を尋ねる。

「………………………」

「お、おい…。何でそこで黙るんだよ…?」

俺の心臓がざわつく。

「…奥さまは即死でした」

「…………………は…?」

嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。

「嘘だ!!は…、遥香が…そんな…………。し、真紅は!?真紅は無事…なんだよな…?」

「………………生きてはいます」

何だよ、その含んだ言い方。
ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな!!

「ふざけるな!!はっきり言え!!」

「心膜損傷、心膜炎です」

「な、何だよそれ…………」

「心膜損傷は、交通事故や高所からの転落により、相当大きな外力や剪断力が胸部に動いた時に発症します。今回の凄まじい衝撃で心膜に炎症が起き、心膜炎と呼ばれる症状になっています。…しかも相当ひどい」

「…………何でこうなった」

「相手トラックの飲酒運転です…」

「……殺す。殺してやる…!!連れてこい!!」

俺はもうそれしか出来なかった。
初めてだった。憎しみで前が見えなくなったのは。
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