雷藤 頼斗
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ざわざわ…ざわざわ…
館内に色んな声が響いている。
「おじさん、だーれ?」
色んな子どもが俺のもとに集まってくる。
俺はしゃがみ、子ども達の目線に合わせ話し始めた。
「おじさんはね、色んなところを回って色んな遊びをしてるんだ」
そんな俺の言葉に惹かれたのか子ども達はキラキラと目を輝かせ話す。
「そうなのー!?どんなお遊びするのー?鬼ごっこ?かくれんぼ?」
俺はその言葉に首を振ると立ち上がり、施設の幅を見る。
そして子ども達に目線を向けた。
「違うよ、もっと楽しい遊びさ。みんなで協力して戦う世界で一番面白い遊びさ!」
そんな俺の言葉を受け子ども達がはしゃぐ。
「そんな遊びがあるの!?教えて教えてー!!」
子ども達が俺の足元にしがみつく。
そんな子ども達の頭を撫でながら、指を差す。
「その遊びの名前はサッカー!」
「さっかー?」
この施設にはテレビが今度追加されると言うことで、サッカーの存在を知らなかったのか。
「ああ。サッカーだ」
俺はバックからボールを取り出した。
「さっかーってボールを相手に当てるのー?」
「まあ見てな…、よっと…」
ポンポン…ポンポン…
「よっ…!」
俺は頭、胸、膝、足、踵。
色んなところでボールを操り子ども達に見せる。
「うわぁ、すごぉい!!」
「ボールがくっついてるみたーい!!」
子どものキラキラした表情が眩しい。
俺はリフティングをやめると子ども達に話す。
「サッカーはこのボールを11人で操りながら相手のゴールにボール入れる遊びなんだ。最高に楽しいぞ!」
「やりたいやりたい!!」
「おじさん教えてー!!」
子ども達を見ながら、施設の芝生を指差す。
「じゃあ向こうでやろう!みんなついておいで!あ、あとおじさんじゃなくてお兄さんな。俺まだこう見えて28だから」
「あはは!おじさん行こ行こ!」
全く聞いてないなぁ。
俺はそんな子ども達の無邪気さに自然と笑顔になる。
「おじさんこれどうやって蹴るの?」
俺は赤髪の少年にそう聞かれ少年の身体を使い蹴り方を教える。
「こう…か!?」
バシッ…!!
「お!やるな!センスあるよ、キミ名前は?」
「俺は南雲晴矢!」
「晴矢!いいシュートだ!!」
色んな子と一つのボールだけで繋がれる。
本当にサッカーは素晴らしいスポーツだ。
「風助上手いぞ!そのままシュートだ!」
「やああ!!」
「ナイスだ!!」
時間を忘れてこの子たちとのサッカーに夢中になってしまう。
惜しいが時間となってしまった。
「…時間か。楽しかった人ー!?」
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