雷藤 頼斗
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「ですが、とっても可愛い私の自慢の子ども達です」
ああ。この人は本当にこの子達のことが大好きなんだな。
表情が本当の父親そのものだ。
「…俺にも息子がいるんです。この子たちと年も変わらないような。俺も心はガキのまんまなんですけど、いざ自分の子どもと関わっていると自分が父親なんだなって実感する時があるんです。吉良さんからも凄くそう言うのを感じて、この子たちは愛されているんだなって感動しちゃいました」
「ええ、愛していますとも。だからこそ雷藤頼斗くんにこの子達にサッカーを教えてあげて欲しいのです。私の息子が愛したサッカーを」
「サッカーは楽しい遊びってことを伝えてあげます!…では、来週お邪魔させていただきます!」
「はい、楽しみにしていますよ」
そうやって俺は孤児院を後にした。
「あら…あなた?」
「遥香じゃないか、買い物の途中か?」
俺は帰り道偶然遥香に遭遇した。
雷藤遥香。俺の自慢の嫁さんだ。プロ時代も支えてもらったパートナーだ。
「荷物持つよ」
「助かるわ、ありがとう」
そうやって俺が遥香の荷物を持つ。
「あれ?父さんなんでいるの!?」
「孤児院の帰りさ」
活発な真紅は草むらから飛び出して、俺を見るや否や駆け寄る。
「この子ったら、買い物について来たと思ったらサッカーチップス買いに付いてきただけなのよ」
「真紅。女性に重いもの持たせるなんて男として最低だからな?今度からお母さんの荷物持ち手伝うんだぞ?」
「俺、最低になりたくない!荷物頂戴!!手伝う!!」
「よし!それでこそ男だ!」
こんな家族で幸せな日々。
ずっと続くと全く疑うことなんてなかった。
「父さん!!こじいんから何時くらいに帰ってくるのー!?」
「夜の6時くらい迄には帰ってくると思うぞ?」
「じゃあさじゃあさ!終わったら3人でご飯食べに行こうよ!!角煮食べたい!!」
「その年で角煮って…、お前も変わってるなぁ」
「いいじゃないの。じゃあそれまでお母さんと一緒にいようね?」
「うん!!楽しみだぁ!」
「お母さんに迷惑掛けちゃダメだぞ?じゃあ時間になったら連絡するから、近くの駐車場まで向かってくれ。そこにタクシー呼ぶからそこでタクシーに乗ってお店に向かおう」
「わかったわ、じゃあ気を付けて行ってらっしゃい」
「じゃあね父さんー!!」
「おう!行ってくるな!」
ガチャン…………
スタスタスタ……
俺はお日さま園に到着した。
「よく来ましたね、どうぞ」
「お言葉に甘えて」
俺は吉良さんに案内され進んでいく。
きゃきゃ…きゃきゃ…
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