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ハッピークローバー
第六十五話 日本の夏の料理その二

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「三輪の」
「あの有名な」
「はい、八条グループの食品部門で」
 こちらでというのだ。
「お素麺も扱っていまして」
「あのお素麺作ってるの」
「そうしていまして」
 それでというのだ。
「学校にも回してくれるので」
「あのお素麺なのね」
「そうなんです」
「それは凄いわね」
 先輩は唸って言った。
「私日本に来てはじめてお素麺食べたけれど」
「やっぱりケニアにはないですね」
「ないない、ないわよ」
 明るく笑っての返事だった、ケニアは黒人の国なので黒い肌で目と髪の毛もそうである。縮れ気味の長い髪の毛で背は一五二位でかな恵より低い。
「やっぱりね」
「そうですね」
「ちなみにかつて植民地だったけれど」
「確かイギリスの」
「わかるでしょ」
「お料理は、ですね」
「お世辞にもで」
 それでというのだ。
「日本のお料理なんてね」
「なかったんですね」
「それで日本に来てよ」
「お素麺はじめて食べたんですか」
「小学一年で食べて」
 そうしてというのだ。
「すぐに好きになったけれど」
「三輪素麺はですか」
「特にね」
 素麺の中でもというのだ。
「美味しいって感じたから」
「今日三輪素麺で、ですね」
「よかったわ」
「そうですか」
「ええ、三輪素麺はお素麺の王様よ」
 こうまで言った。
「あの美味しさは」
「そこまで美味しいんですね」
「パスタも細いのあるけれどね」
「お素麺みたいにですよね」
「あちらも好きだけれど」
 それと共にというのだ。
「お素麺の方がね」
「お好きですか」
「それでその中でもよ」
 特にというのだ。
「三輪素麺はね」
「そうなんですね」
「最初食べて驚いたから」
「美味しいからですね」
「ええ、お素麺は好きでも」
「その中でもですね」
「特に美味しかったから」
 だからだというのだ。
「これはいいわってなって」
「大好きなんですね」
「何か日光のお素麺も美味しいらしいわね」
「関東のですね」
「徳川家康さんが祀られてるね」
 日光東照宮である、徳川家康はここに祀られそのうえで江戸ひいては幕府を守護する神となり今も東京を守護しているのだ。
「あちらのね」
「あそこのですね」
「有名なのよね」
「みたいですね」
 かな恵の返答は今一つ要領を得ないものだった。
「あっちの人達から聞くと」
「よく知らないの」
「はい、私関西人なんで」
 それでとだ、かな恵は答えた。
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