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星河の覇皇
第八十三部第二章 撤退の果てにその三十八

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「肯定は出来る」
「左様ですね」
「敵であっても自国の為に動くなら」
「我々もああしなければならない」
「そう思いますね」
「認められる、ならだ」
 それならとだ、艦長は話した。
「我々はだ」
「そのマウリアと戦う」
「干戈は交えないですが」
「それでもですね」
「何があろうとも」
「技術は渡さないしだ」
 その様に務めてというのだ。
「そしてだ」
「そして、ですね」
「そのうえで、ですね」
「我々は」
「さらにだ」
 艦長はまたこう言った。
「走って先に、上にだ」
「向かいますね」
「ひたすら」
「人は努力していけば」
 そうすればというと。
「無限に進化出来る」
「絶えずですね」
「果てなくですね」
「進化出来ますね」
「限度はあるかも知れないが」
 それでもというのだ。
「御仏の計りでのことだ」
「人がそこまで辿り着くには果てない」
「そこまでの計りのことですね」
「あくまで」
「そうしたものですね」
「御仏の世界は広大だ」
 まさにというのだ。
「人の世のことなぞだ」
「瞬き程もないです」
「それが御仏の世界のことで」
「何兆、何京もの歳月の中のことで」
「その進化の果てもです」
「そうした計りのことですね」
「それでは果てがないことと同じだ」
 まさにとだ、艦長は仏教徒として話した。艦長は小乗仏教というこの時代でもタイの主流の宗教を信仰しているのだ。
「ではまさにな」
「果てがないですね」
「技術も」
「左様ですね」
「そういうものだ、現に常に人はここまで進化か進歩したと思う」
 今の自分達の技術を見てだ。
「産業革命の時も第二次世界大戦の時もIT革命の時もな」
「常にでしたね」
「これ以上はないまでの技術を手に入れた」
「そう思いましたね」
「だがそれで終わりではなかった」
 技術の進歩、それはというのだ。
「その時からさらにだ」
「人類は進歩してきましたね」
「そこからさらに」
「これ以上はあった」
「常にそうでしたね」
「二十世紀の終わり頃の子供達はテレビゲームに興じていた」
 日本ではファミリーコンピューターがあった、このゲーム機はこの時代では歴史に残る程の素晴らしいものと言われている。
「その時も思われた」
「これ以上はない」
「これ以上素晴らしいものはない」
「その様にですね」
「思われたが」
 それがというのだ。
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