第八十五話 夕食もその八
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「教科書で読んだら」
「詩は特にね」
「何か暗いものも感じるけれど」
「それ以上によ」
宮沢賢治の作品はというのだ。
「明るく前向きにね」
「考えさせてくれてなの」
「生きさせてくれるね」
「素晴らしいものなのね」
「馬鹿な思想家の本なんて読んでも無駄だけれど」
時間ひいては人生のだ。
「けれどね」
「宮沢賢治はなのね」
「読むとね」
「明るく前向きに」
「考えて生きられるのよ」
「そうしたものね」
「ええ、そう思うわ」
こう同級生に話した。
「それも楽しくね」
「宮沢賢治って読むと楽しいの」
「ファンタジー小説だからね」
咲はあえて現代のライトノベル風に話した。
「だからね」
「ああ、ファンタジーなの」
「そう、夜のお空旅したり」
そうしたりというのだ、銀河鉄道の夜にしてもそうした場面がある。
「風の又三郎なんて妖精みたいなものだし」
「それでファンタジーなのね」
「童話であって」
それと共にというのだ。
「ファンタジーもね」
「入ってるのね」
「そうなの、だから読んでも楽しいのよ」
「そうなのね」
「結構純文学もファンタジーや歴史があるのよ」
「それじゃあ娯楽ね」
「というか小説とかって娯楽でしょ」
そちらに入るというのだ。
「そうでしょ」
「楽しんで読むから」
「だからね」
それでというのだ。
「娯楽よ」
「そう思って読んでいいのね」
「教科書では授業だから」
それでというのだ。
「普通に勉強してね」
「テストにも出るし」
「もっともらしく答案に書かないといけないけれど」
「それでもなのね」
「それを離れたらね」
学校の授業をというのだ。
「もうね」
「楽しんでなの」
「そうしてね」
それでというのだ。
「読んで」
「明るく前向きになの」
「考えられて生きられる」
咲は言った。
「そうしたものよ」
「成程ね」
「というか宮沢賢治が自分の作品が学校の教科書に載るとか考えてたか」
それはというのだ。
「果たして」
「考えてなかったわよね」
「ええ、そんな筈なかったわ」
「そうよね」
「あの人生前ほぼ無名だったから」
文壇で知っている人はいなかったと言ってよかった。
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