第六話 封印その三
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「俺の二つの選択肢だな」
「そうです、どちらを選ぶかで」
「その未来が決まるか」
「そうなります」
「ではな」
「今からお見せします」
丁は神威に応えてだった。
まずは天の龍の未来を見せた、すると。
人類の文明はそのままだった、多くの生きものもそこにいる。神威はその世界を見せられてから言った。
「そのままだな」
「人間の世界は続き」
「多くの生きものもだな」
「生きていきます」
「そうだな、ではだ」
「次はです」
「地の龍の未来だな」
神威は目を鋭くさせて問うた。
「そうだな」
「はい、ではお見せします」
「そちらも頼む」
「それでは」
今度はだった、世界は。
崩壊し屍で覆われていた、文明は何もかもが破壊され東京タワーだけが崩れつつも存在していた。その世界を見てだった。
神威は頷いてだ、丁に述べた。
「わかった」
「二つの未来が」
「ああ、しかしこれだけか」
丁に鋭い視線を向けて問うた。
「未来を選んだ結果は」
「それぞれのですね」
「そうだ、どうだ」
「あります」
丁は畏まって答えた。
「まだ」
「やはりそうだな」
「ではです」
「まだ見せてくれるか」
「ですが」
「何だ」
神威は丁が戸惑ったのを確認して彼女に聞いた。
「何かあるのか」
「貴方にとって辛いと思いますが」
「その未来はか」
「世界のことよりも」
「それは何だ」
「貴方が大切に思う人のことです」
神威に目を閉じて述べた。
「おわかりですね」
「封真、いや違う」
神威は本能的に察して述べた。
「小鳥か」
「あの人のことです」
「小鳥がどうなるんだ」
神威は丁に顔を険しくさせて問うた。
「天の龍を選んだ時と地の龍を選んだ時でそれぞれ」
「お見せしていいのですね」
「未来は全て見せろ」
これが神威の返答だった。
「さもないと選ぶ材料にならない」
「どちらも全て知らないとですね」
「そうだ、だからだ」
それ故にというのだ。
「そうしてくれ」
「では」
「どんなものでも見てやる」
覚悟を決めた返事だった、動きにもそれが出ていて手は拳になって身体の前で握られている。その上での返事だった。
「俺はな」
「では」
「ああ、見せてくれ」
「これが天の龍の貴方です」
見れば神威は。
無数の赤い糸でがんじがらめにされて動けない、そして。
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