新兵編 ウルトラルーキーファイト 後編
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風祭勇武の背中を思い出していた2人の高官は、微かに切なげな表情を浮かべていた。高官達が見せたその僅かな憂いから、2人の胸中を察していたイヴァンナは、彼らを励ましたい一心で気丈に胸を張る。その弾みで、Iカップの爆乳がぶるんっと弾んでいた。
「……ご心配には及びません。このイヴァンナが必ず、風祭勇武に代わる新たな英雄として……この地球を守り抜いて見せます」
「うむ……頼もしい限りだな、イヴァンナ」
「君の活躍、期待しているぞ」
上流階級同士の社交界で知り合って以来、幼い頃から父と同じように慕って来た2人の高官。そんな存在である2人を気遣おうとしている彼女の姿に、当の高官達は顔を見合わせ、表情を綻ばせている。
――名門の娘として厳格に育てられて来たイヴァンナは、その生真面目過ぎる堅物な性格のため、今まで恋人が出来た試しがない。言い寄って来る不埒な男達は全て手酷く袖にして来たし、強引な手合いは父直伝の格闘術で叩きのめしたこともある。
だが、下衆な男ばかりが言い寄って来るから恋人を作らなかった、というわけではない。
絶世の美貌と抜群のプロポーションに加え、名家出身のエリートでもある彼女はこれまで、数多の有力者達からその極上の肉体を虎視眈々と狙われ、幾度となく求婚されて来たのだが。父の期待に応え、立派な戦車兵になることのみを目指して来た彼女には、道半ばで諦める選択肢など最初から存在し得なかったのである。
それ故に18歳を迎えた今も、彼女は男を知らない生粋の処女であり。当然ながら、恋を経験したこともない。
そんな彼女の将来を、2人の高官は密かに案じていたのだが――その「鋼鉄の女」がやがて、「第3のウルトラ戦士」となった男を愛するようになるとは、夢にも思わなかったのである。
その高官達はイヴァンナの後ろを歩きつつ、傍らに1人の可憐な美少女を連れている。彼らの愛娘であり、将来の幹部候補でもある2人の少女が、父親の任務に同伴していたのだ。
愛らしい容姿を持つ彼女達の視線に気付いたイヴァンナはポニーテールと乳房を揺らし、ゆっくりと振り返っていた。相変わらずの無表情だが、少女達を見下ろすその眼差しは、他者を慈しむ優しさに満ちている。
「……どうかしましたか?」
「あ、いえ、そのっ……!」
「イヴァンナお姉様、カッコいいなって、ずっと思ってて……」
艶やかな金髪の持ち主である2人の少女の名は、オリヴィアとエレーヌ。イギリス支部とフランス支部の高官を父に持つ未来のエリートであり、すでに将来に向けた「英才教育」を受け始めている才媛であった。
だが、そんな彼女達にも年相応な「憧れ」の感情があったのだろう。凛とした佇まいを見せているイヴァンナの背に惹かれていた彼女達は
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