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イベリス
第八十五話 夕食もその三

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「ヒンズー教の人はね」
「チキンカレーでもですね」
「むしろ菜食の方がよくて」
「野菜カレーですね」
「そっちの方がいいって風にもね」
「なるんですね」
「日本人だとね」
 先輩は咲にさらに話した。
「シーフードだといいでしょ」
「シーフードカレーですね」
「今は生臭ものとか言わないでしょ」
「お坊さんも」
 咲もその通りだと答えた。
「そうですね」
「今はね」
「自分から殺生を求めないならよくて」
「お布施だったらね」
「お肉でもお魚でもです」
「食べていいわね」
「はい、ただ」
 咲は先輩にそれでもと話した。
「残したら駄目なんです」
「それが絶対ね」
「どんな食べものでもです」
 仏教の僧侶はというのだ。
「残さない」
「それが大事ね」
「はい、ですから」
 それでというのだ。
「何でも食べていいですが」
「お布施ならね」
「ですが」
 それでもというのだ。
「残したら駄目です」
「そうなっているわね」
「そうです、ですが」
「シーフードもね」
 これもというのだ。
「宗教によってはよ」
「制約ありますね」
「鱗のないお魚とかね」
「鰻とかですね」
「ユダヤ教だと食べないし」
 宗教的な戒律でだ。
「難しいのよ」
「そこ日本人にはわからないですね」
「中々ね、だからね」
「カレーならですね」
「チキンカレーが無難よ」
「それか野菜カレーですね」
「そうよ、ビーフカレーやポークカレーは」
 こうしたカレーはというと。
「世界的にはね」
「難しい場合がありますね」
「どうしてもね」
「そういえば」
 同級生の娘も言ってきた。
「ユダヤ教だと牛肉とチーズは」
「同時に食べられないわよ」
「そうでしたね」
「親子関係のものはね」
 そうした食べものはというのだ。
「一緒にはよ」
「食べられないですね」
「だからチーズバーガーもね」
 ハンバーガーの定番の一つであるこれもというのだ。
「ユダヤ教徒の人はね」
「食べられないですね」
「そうよ」
 こう話した。
「これがね」
「そこ難しいですね」
「ビーフカレーの後牛乳飲むとか」
「それ美味しいですけれどね」
「ユダヤ教徒だとね」
「駄目なんですね」
「日本の親子丼なんて」
 この料理はというと。
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