第百三十二話 一同、北に向かうのことその七
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「僕達の最後の戦い」
「気合が入って仕方がないぜ」
「そうだな。けれどな」
ここでこうも言うテリーだった。
「あまり緊張してもな」
「かえってよくない」
「リラックスもってことか」
「そういうことだよ。それはわかってるよな」
「勿論だよ」
「これでも身体はほぐれてるからな」
「ならいいけれどな」
テリーが言うとだ。ここでだ。
その彼等にだ。孫策が言ってきたのである。
「そういうこと。緊張し過ぎてもね」
「ましてや決戦はもう少し先だからな」
「まずは匈奴の国に行ってからよ」
「それからだな」
「そう。だから今はね」
「緊張し過ぎても仕方ないな」
「っていうか最後まである程度ほぐれていてね」
孫策は明るい笑顔で彼等に話す。
「テリーと丈はその点いけるみたいだけれど」
「私は」
「そう。アンディはちょっとね」
その生真面目さのせいでだというのだ。
「その辺りちょっとしてね」
「そうですね。それでは」
「ここで敬語になるのもね」
それもどうかというのだ。
「堅苦しいのよね」
「ううむ、しかし」
「まあそれがアンディの持ち味だけれど」
このことは孫策もわかっていた。
「それでもね。ある程度はね」
「気持ちをほぐして」
「そう、パスタでも食べてね」
「では納豆スパを後ね」
「えっ、納豆って」
納豆と聞いてだ。孫策はだ。
かなり引いた顔になりだ。こう言ったのである。
「それはちょっと」
「御嫌いですか」
「あれはね」
困った顔で言う孫策だった。
「どうにもね」
「苦手なのですか」
「スパゲティは好きよ」
それ自体はだというのだ。
「けれどそれでもね」
「納豆はですか」
「癖が強過ぎるわ」
こう言ったのである。
「あまりにもね」
「そうでしょうか。味は」
「糸と匂いがね」
その二つが問題だというのだ。
「強いから」
「確かにそれはその通りですが」
「日本人はあれを食べるのね」
孫策は言ってから訂正した。
「倭ね、この時代は」
「って俺の国かよ」
丈がここで話す。
「まあ納豆はなあ」
「丈も癖が強いと思うでしょ、あれは」
「好き嫌いは別れるな」
それはどうしてもだとだ。丈も言う。
「けれど食ってみると案外あっさりしててな」
「身体にもいいしね」
「美味いものだけれどな」
「美味しいのかしら」
孫策はこのこと自体が疑問だった。
「あの糸と匂いで」
「言っておきますが腐ってはいません」
「発酵だったわね」
「はい、ヨーグルトと同じです」
「それはわかるけれど」
「それでもですか」
「ちょっとねえ」
やはりこう言う孫策だった。
「癖がねえ」
「困りましたね。納豆は健康にもいいのですが」
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