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星河の覇皇
第八十三部第二章 撤退の果てにその三十
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「科学的根拠は何もなく」
「宗教的根拠も実は、でした」
「そうしたものであり」
「同じ人間ならば」
「そもそもこうした話があった」
 艦長は今度はこうした話をした。
「知能指数はどの人種が最も高いか」
「それはアジア系でしたね」
「アジア系の諸国家が特に高かったですね」
「知能指数の検査をした結果」
「ヨーロッパ系の国家よりもでしたね」
「アジア系国家の方が高かったですね」
「人種によって知能指数が決まると言った学者もいた」
 二十世紀末のアメリカの学者の主張だ、この主張を出した瞬間に人種的偏見だと集中的な批判を浴びた。
「その言葉の通りか」
「白人よりもでしたね」
「アジア系の方が知能が高かったですね」
「そう出ましたね、当時」
「実際の知能指数の試験で」
 アメリカでもヨーロッパ系のアメリカ人よりアジア系のアメリカ人の方が知能指数が高いと出たのだ。
「そう出た、もうその時点でだ」
「白人至上主義は否定されていますし」
「知能で技術が手に入れられるなら」
「もう言うまでもないですね」
「アジア系もそうした技術を備えられる」
「そうなりますね」
「そうだ、そして知能指数なぞだ」
 今重要な要素とされて話されているこれもというのだ。
「何とでもなる」
「訓練や日常の生活で」
「そうなりますね」
「容易に」
「そうだ、人種に関係なくだ」
 それこそというのだ。
「知能指数も上がる、運動神経もだ」
「トレーニングを積めば」
「その分よくなりますね」
「筋肉もつきますし」
「敏捷性も上がります」
「人間は努力次第でどうとでもなる」
 その能力はというのだ。
「人種の差異なぞ個人差程度でしかなくだ」
「何とでもなりますね」
「訓練や生活次第で」
「それこそ」
「そして技術も普通にだ」
 備えようと努力すればというのだ。
「備えられる、だからエウロパに技術が流れる様なことはな」
「あってはならないですね」
「決して」
「それは」
「エウロパの工作員達は連合に多く潜入していたが」
 エウロパ戦役前はだ、バチカンから連合に入る聖職者についてそうして潜入していたのだ。
「しかしな」
「彼等は中央政府や各国への情報収集や破壊工作に熱心であり」
「技術は無視していましたね」
「そちらは」
「そうだった、しかしだ」
 それでもというのだ。
「マウリアは違う」
「技術を盗むことをですね」
「それを狙っていますね」
「しかも国全体で」
「そうしてきていて」
「トイレに対しても」
「だから危険だ、それでだ」
 それ故にというのだ。
「我々としてはな」
「彼等が艦内のトイレに入っても」
「そのことすら警戒が必要ですか」
「そうした状況ですか」
「もう
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