第六十四話 料理部だから思うことその九
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「あそこは」
「ううん、何かね」
「かな恵も行きたくないでしょ」
「ちょっとね」
元々行きたくなかったがというのだ。
「あそこは」
「やっぱりそうよね」
「冒険するとか」
そうしたというのだ。
「趣味はね」
「ないのね」
「お料理は好きだけれど」
それでもというのだ。
「冒険とかね」
「そうしたことする趣味はなの」
「ないから」
だからだというのだ。
「あまりね」
「アマゾンには行きたくないわね」
「どうもね」
実際にというのだ。
「ブラジルで行きたいっていうと牧場かしら」
「牧場?」
「ええ、そこに行ってね」
「牛乳でも飲むの?」
「牛乳だけじゃなくて」
そちらを楽しむことは否定しなかった。
「お肉もね」
「そっちもなのね」
「本場のシェラスコ食べたいから」
それでというのだ。
「牧場にね」
「そういうことね」
「シェラスコいいわよね」
今は冷奴を食べているがそれでもと言うのだった。
「お肉を沢山食べられて」
「私もシェラスコ好きよ」
ブラジルの娘も笑顔で応えた。
「あれ確かにお肉をね」
「沢山食べられるわよね」
「だからね」
かな恵に笑顔で話した。
「私も好きなの」
「そうなのね」
「日本でも食べられるけれど」
「いいのね」
「ええ、赤ワインとも合うし」
酒の話もした。
「ビンガともね」
「あの強いお酒ね」
「ブラジルのね、サトウキビから作る」
「あれともね」
こうも言ったのだった。
「合うのよ」
「シェラスコは」
「だからね」
それでというのだ。
「私としてはね」
「好きなのね」
「ステーキだと一枚一枚でしょ」
「ええ、出て来るのはね」
「けれどシェラスコはね」
この料理はというのだ。
「どんどんね」
「お肉傍で切ってね」
「出してくれるからね」
串に刺して焼いた塊の表面をナイフで切ってその切られたものを食べるのだ、これがシェラスコという料理である。
「もうね」
「ステーキよりもよね」
「お肉を食べられるのよ」
「あれがいいのよね」
咲も笑顔で飲みつつ応えた。
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