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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第145話:希望の日差し
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、2人の意図に反してあと一歩でキャロルに届くかと言うところで止められる。何時の間にか周囲に張り巡らされていた極細の糸が蜘蛛の糸の様に巻き付き2人の動きを押さえつけていたのだ。
「くぅっ!? この糸……!?」
「何時の間に張られてたデスかッ!?」
キャロルとの戦いで兎に角厄介なのはこの糸だ。純粋な攻撃力は勿論、こうして気付けば周囲に張り巡らされ絡め取られる。響や奏もこれに苦戦を強いられ、一撃与える事すら困難であった。
だが何よりも恐ろしいのはその強度だろう。今のマリアと切歌はただのギアではなく、イグナイトにより強化されたギア。それをこうして受け止めるのは容易ではない筈。だがキャロルはそれを一瞥すらせずに熟しているのだ。今のキャロルの攻撃がどれほど強烈かをこれ以上ない程物語っていた。
だがこの時、攻撃を受け止められた事で苦い顔をしているマリア達と同様、キャロルもやや苦い顔をしていた。キャロルの考えではマリア達を受け止めた時点で、糸により2人を切り裂いている予定だったのだ。
だがイグナイトにより強化されたシンフォギアは、予想以上の強度を見せ2人の攻撃を受け止めるだけに留まってしまった。これはキャロルにとって面倒な想定外だった。
「だが、蜘蛛の巣に掛かった蝶を蹂躙するなど容易い事ッ!」
「させると思うかッ!」
「ハァッ!」
糸を更に強化して動きを止めた2人を細切れにしようとするキャロルであったが、それより早くに颯人と奏が武器に魔法の炎を纏わせマリア達を拘束している糸を切り裂いた。それだけに留まらず、2人はそのままキャロルに武器を叩きつけようとした。
「らぁっ!」
「フンッ!」
片手はガルド達への砲撃に使って塞がっている。張り巡らせていた糸はたった今纏めて切り裂いた。自由に動かせる腕は片方のみ。この状態で別方向から攻撃を同時に放たれれば、キャロルに一撃を加える事は可能な筈であった。
その予想は正しく、キャロルはより威力が高いだろう奏の槍を手で受け止め、颯人の一撃をその身で受けた。障壁を張る猶予も無かったのか、キャロルは胴を燃える剣により切り裂かれる。ダウルダブラのファウストローブで身を守っているとは言え、それは確かなダメージとなる筈であった。
だが全てを失い、目に映るものを破壊する為だけに戦うキャロルにとって最早自身の体が受けたダメージなどどうでもいい事であった。
「……それで?」
「ん、な……!?」
キャロルは全く堪えた様子も見せず、たった今自身の体を切り裂いた相手である颯人を睨み付けた。受け止められるのではと思っていたが、切られて尚顔色一つ変えずこちらを睨んでくることは想定外だったのか颯人の動きが束の間止まる。
その隙にキャロルは掴んだ奏を振り回して颯人に
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