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DOREAM BASEBALL 〜夢見る乙女の物語〜 
信じる勇気
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っていく。そして私たちはこのピンチを凌ぐため、それぞれのポジションへと戻った。
















第三者side

(もうサインなんていらない。今必要なのは信じる勇気!!)

三球目、外角へストレートが突き刺さりリュシーのバットは空を切る。

(あれ?なんで打てないの?)

相手が投げているボールは何の変哲もないストレート。それなのに捉えることができない自分に疑問を抱き、迷いが生じる。

「うちの弱点を見抜かれたか」
「弱点ですか?」

動揺している主砲を見て唸っている指揮官。彼は短くなる相手の投球間隔を見てそれを確信した。

「うちは全員が動体視力を鍛えるトレーニングをしている。まぁ身体能力もないと思ったほどの成果は出せないが……」

進学校であるがために運動に真剣に取り組んできた選手が少ない桜華学院。そんな彼女たちが様々な策を駆使できるのは動体視力を鍛えたからに他ならない。

「瞬間的なボールの動きを判別できれば多少の力のなさはカバーできる。ただ、どうしても対応できない球種がある」
「それがストレートなんですか?」
「いや……」

部長の問いに首を振る。

「単なるストレートなら問題ないんだ。どうしても対応できないのは予想以上のストレート」
「予想以上のストレート?」
「ピッチャーの投げたボールは重力で多少なりとも落ちながらバッターに向かってくる。そしてそのボールはストレートよりも高い軌道を通ることは絶対にない」

迷ったらストレートに山を張る。それは単に一番投球の可能性が高いからではない。バッターは想像よりも高い軌道に来るボールに対応することは難しい。そのため、必然的にストレートに照準を合わせておけば変化球に対応しやすくなる。

「ただ、全国には少なからずいるんだよなぁ、伸びのあるストレートを投じる奴が」

高い回転数、ブレの少ない球の軌道、それらが合わさり想像よりも落ち幅の少ないストレートを投じる投手。さらにそれがコントロールを無視して投げてくればその脅威はさらに増す。

(まぁ、三振ならいいや。次はストレートに合わせられてたーーー)

そこまで考えて、彼は自信のミスに気が付いた。そして既に投球に入っている瑞姫を見て、それは取り返しがつかないことがわかる。

ギンッ

フライを上げるようにとカミューニは指示を出した。それはチャンスを増やすための策だったが、焦っていたリュシーはその言葉に囚われすぎてしまい、力み、スイングが崩れた。

「瑞姫!!」

ピッチャー前へボテボテとした弱い打球が転がる。瑞姫はそれを捕球すると莉愛へと送球。満塁のためベースを踏んだ彼女はすぐに一塁へと投げ、ダブルプレーを完成させた。


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