第八十四話 合宿その十三
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「あるのよ」
「凄いわね」
「せめてね」
咲は心から言った。
「執筆中の作品はね」
「終わって欲しいわね」
「読者としてもね」
「作者さんもそう思われてるわよね」
「それはね」
何と言ってもとだ、咲は答えた。
「作者さんが一番よ」
「終わらせたいわよね」
「作品を終わらせることは」
まさにこのことはというのだ。
「作者さんの義務みたいなものだしね」
「そうよね」
「中には終わらせられないと見るとね」
その時点でというのだ。
「放り出す人もいるけれど」
「所謂エタるね」
「ネット小説じゃ特に多いわね」
「それ困るのよね」
「どんな作品でもね」
咲は眉を顰めさせて話した。
「やっぱりね」
「終わらせて欲しいわよね」
「何年かかってもね」
「絶対にね」
「終わらせてほしいわ」
同級生にこのことを心から思って話した。
「本当にね」
「その通りよね」
同級生もそれはと答えた。
「無責任よ」
「連載途中で放棄したら」
「やっぱりね」
「一回書いたらね」
「機会を見て」
そうしてというのだ。
「終わらせて欲しいわ」
「そうよね」
「それでお亡くなりになったら」
その時のことをだ、同級生も話した。
「本当にどうなるってなるけれど」
「この作品は作者さんの意志を継いでくれる人が出て来てくれたから」
咲は心からほっとして話した。
「作者さんのお友達の人がね」
「最後まで描いてくれるわね」
「絶対にね、果たしてどうなるか」
「楽しみよね」
「何時終わるかはわからないけれど」
「壮大な作品だしね」
それ故にというのだ。
「果たしてね」
「何時終わるかはね」
「わからないけれど」
それでもというのだ。
「きっとよ」
「終わるわね」
「三十年以上続いても」
そうした作品でもというのだ。
「終わればよ」
「最高よね」
「まあ結末が酷いとかね」
「それもあるわね」
「そうなってる作品もあるけれど」
終わりよければ全てよしという、だが結末を迎えても全ての作品がそうであるとは限らないのも創作である。
「終わることはよ」
「それだけでいいことよね」
「だからね」
「終わって欲しいわね」
「絶対にね」
心からだ、二人で話した。そうしてだった。
咲は漫画をさらに読んでいった、やるべきことが終わった彼女と他の面々もそうした時間に入っていった。
第八十四話 完
2022・10・23
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