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イベリス
第八十四話 合宿その十一

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「人間他のものも必要で」
「なくてもね」
「生きていけるんですね」
「そうしたものよ」
「世の中そうしたものですね」
「ええ、覚えておいてね」
「そうしていきます、しかしあの人何なんでしょうか」
 咲は作業をしつつ心から思ってこの言葉を出した。
「党首ですけれど」
「未来ないでしょ」
「どう見ても」
 こう言うのだった。
「あれ以上はないですね」
「評判も悪いしね」
「というか最悪ですよね」
 今度はそちらの話もした。
「もうそれこそ」
「人間ああなるとね」
「終わりですね」
「ええ、正直ああはなりたくないわ」 
 絶対にと言うのだった。
「私もね」
「私もです」
「なったら終わりだから」
 それ故にというのだ。
「例えどんな学歴でもね」
「どうにもなりませんね」
「そうでしょ」
「まさに学歴だけですね」
「そうとしか思えないからね」
 作業をしつつこうした話をした、そして同人誌とサイトは程なく完成し更新出来た。そうするとだった。
 部長それに副部長達三年生は受験勉強に入った、そして咲達はというと。
 自由時間になった、それで漫画を読んでいたが。
 咲は今読んでいる漫画について部室に来ていた同級生の美術部の女子部員に対してこんなことを言った。
「作者さんお亡くなりになって」
「その漫画そうよね」 
 同級生は別の作品を読みつつ応えた。
「急死されたのよね」
「そう、けれどね」
「別の人が続く描くのよね」
「そのことが決まったの」
「よかったわね」
「ええ、未完で終わるのがね」 
 これがとだ、咲は話した。
「一番嫌よ」
「やっぱりどんな作品もよね」
「ちゃんと終わらないと」 
 さもないと、というのだ。
「すっきりしないわ」
「そうよね」
「だからね」 
 それでというのだ。
「この作品続くことになって」
「咲っちも嬉しいのね」
「そうなのよ」
「その作品デッサンが凄いのよね」
 同級生は美術部員として話した。
「だから私としてもね」
「読みたい作品なの」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「その作品好きよ」
「そうなのね」
「よくそんな絵一コマ一コマ描けるなって」
「だから何度も連載中断してたのよね」
「作画が進まないから」
 だからだというのだ。
「それでよ」
「連載しょっちゅう中断して」
「進まなかったのよ」
 その連載がというのだ。
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