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第五話 神剣その十一

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「父さんも無事だったし家は今誰もいないな」
「ええ、それはね」
「だったらな」 
 表情も優しい、そのうえで話すのだった。
「今はな」
「お家に戻って」
「ゆっくりとするんだ」
「そうしていいのね」
「父さんは大丈夫だからな」 
 命に別状はなからだというのだ。
「いいな、後で俺も戻る」
「それじゃあ」
 小鳥は素直に頷いてだった。
 そのうえで家に帰った、それを見届けてだった。
 封真は神威そして彼と共にいる空汰達に話した。
「実は祀ってある神剣がないんだ」
「境内に剣を置く場所があったわね」
 嵐が応えた。
「そうだったけれど」
「そこにある筈の剣がなんだ」
「今はないのね」
「どうも奪われたらしい」
 暗い顔で話した。
「神剣は」
「まさか」
「他にないやろな」
 空汰は眉を顰めさせて嵐に顔を向けて話した。
「地の龍や」
「彼等の行いね」
「あの剣は天の龍の為のや」
「剣ね」
「若しくは地の龍の為のな」
「そうだから」
「どういうことだ」
 神威は二人の話に顔を顰めさせて問うた。
「それは」
「そやからな、天の龍として人間を護るか」
「地の龍として地球を救うかか」
「どっちかをな」
「俺は選ぶべきでか」
「それでや」
 空汰はさらに話した。
「お前はどっちを選ぶか」
「天の龍か地の龍か」
「それでわい等は天の龍としてや」 
 その立場からというのだ。
「お前にや」
「声をかけてきているか」
「そういうことや」
「俺は運命は関係ないとだ」
「思ってたか」
「そうだったが」
 それがと言うのだった。
「そうも言っていられないな」
「神威、運命は時として残酷なもんや」 
 空汰は深刻な顔で話した。
「詳しい話はや」
「封真がいるからか」
「あの兄さん何か普通とちゃうみたいやが」
 今度はその彼を見つつ話した。
「しかしな」
「俺達の戦いとは関係ないか」
「そうやと思うからな」
 だからだというのだ。
「別の場所でな」
「これからのことはか」
「話そか」
「わかった」
 神威は真剣な顔で答えた。
「ではな」
「場所変えるで」
「そうしような」
「封真、悪いが席を外す」 
 神威は封真に告げた。
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