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第五話 神剣その七

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「また頼むな」
「試合の時はな」
「お前がどんどん攻めてくれよ」
「頼りにしてるからな」
「ああ、やらせてもらうな」
 封真は汗を拭きながら爽やかな顔で応えた。
「今度の試合もな」
「宜しくな」
「じゃあ今日も頑張ろうな」
「練習もな」
 こうした話をしつつ部活に励んでだった。
 家に帰ろうとしたがそこでだった。
 神威に会ってだ、自分から声をかけた。
「一緒に帰るか、そしてだ」
「何だ」
「今日はうちに寄らないか」
 暖かい声で言った。
「そうしないか」
「何故だ」
「晩ご飯どうだ」
 こう言うのだった。
「今日は」
「晩飯か」
「今日は天麩羅なんだ」
「天麩羅か」
「小鳥が作ってくれるんだ」
 彼女がというのだ。
「それでな」
「一緒にか」
「どうだ?」
「いいのか」
「ああ、構わない」
 封真は優しい笑顔で答えた。
「一緒に食ってくれ、父さんも一緒や」
「おじさんもか」
「父さんも神威に会いたがっている」
 封真はこのことも話した。
「口には出してないけれどな」
「そう思ってくれているんだな」
「ああ、だからな」
 それでというのだ。
「今からな」
「お前達の家に行ってか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「一緒にな」
「晩飯を食ってか」
「積もる話をしないか」
「いや、俺は」
 ここでもだ、神威は。
 距離を置こうとした、だが。
 ふと桃生神社の方を見てだ、血相を変えて言った。
「これは!」
「どうしたんだ、神威」
「封真、すぐに行くぞ」
 こう封真に告げた。
「神社までな」
「俺の家のか」
「そうだ、何かあった」
「何か?そういえば」
 封真もここで気付いてはっとなった。
「感じた」
「そうか、お前もか」
「神社の方だ」
「行くぞ、すぐに」
「ああ、そうしよう」 
 二人で話してそうしてだった。 
 神社の方に駆けて行った、その時だった。
 丁の前に護刃が来た、護刃は空汰と嵐もいるその場で犬鬼と一緒に参上してにこりと笑って話した。
「はじめまして、猫依護刃です」
「お待ちしていました」
 丁は静かな物腰で応えた。
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