見滝原大学
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ねえか」
「まさか、あんなに過激だったとは露知らず……」
ハルトも息を吐きながら、助けてくれた学生を見上げる。
真っ先に目に入った、彼の手に刻まれた黒い刺青。令呪。
ハルトのものと比べ、三分の一の大きさまで小さくなったそれは、彼___多田コウスケが聖杯戦争の参加者である証だった。
「お前、何でこんなところに?」
「人探し。それより、もう体は大丈夫そうだね」
姿勢を正したハルトは、コウスケの腕を指差す。
先月、ハルトとコウスケはとあるマンションで崩落に巻き込まれた。その後、動けなくなるほどの重傷を負い、ハルトの見舞いに来た時も、骨折は治っていなかった。
「ああ。なんとか完全復活したぜ。魔法使いの体様々だな」
「そ……そうだね」
ハルトは歯切れ悪く答え、話を続ける。
「ねえ、ここに探している人がいるって聞いてきたんだけど」
「あ? 誰を?」
「蒼井えりかちゃんって女の子なんだけど、知ってる?」
「蒼井えりか? 聞いたことねえな。知ってるのは名前だけか? 大学って人数多いから、同じ年に入学した奴でさえ名前分かんねえよ」
コウスケの返答に、ハルトは肩を落とした。
「そっか……地道に足で探すしかないか」
「っつうか、誰だよそれ。彼女か?」
「いや。聖杯戦争の参加者」
ハルトの返答に、コウスケは顔をしかめた。
「はあ? おいおい、冗談だろ? この大学にも聖杯戦争の参加者がいるのかよ」
「むしろこんだけ人数がいるんだから、お前の他にも参加者の一人や二人いるほうが自然でしょうよ」
ハルトはそう言って、指輪を取り出す。
「まあいいや。だったら、足で探すしかないか」
『ユニコーン プリーズ』
ハルトが指輪をベルトにかざす。
すると、目の前にプラスチックのランナーが出現した。それは自動的に分解され、プラモデルを作り上げるように形作られていく。
やがて一角獣の姿となったプラモデル。その胸部に指輪を嵌めることで、プラモンスター、ブルーユニコーンが命を吹き込まれる。
「ユニコーン。この大学のどこかに、蒼井えりかちゃんがいるかもしれない。探してくれないかな?」
着地したユニコーンは、いななきとともに大学の敷地内を駆けていく。
手のひらサイズしかないユニコーンに気を向ける者などおらず、ユニコーンの姿はそのまま学生たちの中に見えなくなった。
「オレも手伝おうか」
『グリフォン ゴー』
コウスケは、そう言いながら、指輪を発動していた。
彼の傍には、緑のプラモンスターがその姿を現す。
グリーングリフォンの名を持つプラモンスターは、ユニコーンを追いかけるようにスロープの上を滑空していく。
「助かるよ。時間
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