見滝原大学
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それを思い出さないように、ハルトは話題を探った。
やがて、見滝原中央駅だった場所に到着した。目の前の信号機を待っているとき、ふとハルトは、工事中の見滝原中央駅再開発の場所を見上げていた。
「そういえばさ、友奈ちゃん」
「何?」
「この前一緒にイリスと戦ったシールダーの子、覚えてる?」
「えりかちゃん?」
友奈は、あっさりとその名を口にした。
「うん! 覚えてるよ!」
「今さ、なるべく味方になってくれそうな参加者を探しているんだけど……その蒼井えりかちゃんががどこにいるか知らない?」
丁度、信号が青に変わった。
ハルトが無意識にアクセルを入れるのと同時に、友奈が無邪気に答えた。
「知ってるよ!」
「知ってるの!?」
アクセルを入れたばかりで、尚且つ列の先頭車両。
バランスを崩したマシンウィンガーが、左右に不安定に揺れた。
「うおおおっ!」
「あわわわっ!」
交通事故にならないように必死でハンドルをコントロールしながら、ハルトはなんとかマシンウィンガーを元の軌道に戻す。その際、友奈も必死にハルトの背中にしがみついていた。
「は、ハルトさん! 安全運転だよ!」
「ご、ごめん! 驚いたもんでつい……」
ハルトはそう口走り、車道から逸れ、縁石に停車した。
「それで、蒼井えりかちゃんは一体どこに?」
「えっと……」
ハルトに促され、友奈は顎に手を当てる。
「確か……そう! 見滝原大学!」
「見滝原大学って……確か、コウスケが通ってるところだよね?」
「そうそう、そこだよ! この前新聞配達に近くを通ったとき、挨拶したよ!」
見滝原大学。
国内有数の私立大学。あまり近くに行ったことはないが、新しい手がかりに違いはない。
「確か、見滝原北の方だよね……ここからだと少し遠そうだな……」
時間帯を考えれば、今は大学生が一番多いだろう。今からならば、手がかりを集められるかもしれない。
「ごめん友奈ちゃん、俺やっぱり今から見滝原大学に行くよ。ここからラビットハウスに行くとなると……」
だがハルトは、そこで見滝原中央駅の工事現場を見て口を閉じた。
邪神イリスとの主戦場となった、見滝原中央駅。巨大な怪物を大きな駅ビルの中で戦闘を行えば、当然全てが終われば残るのは廃墟だけ。結局駅ビル全体を建て直すこととなり、見滝原中央駅を使う路線は今大混乱のただなかにいた。
「大丈夫だよ! わたし、歩いていくから!」
友奈はマシンウィンガーから降りて、ハルトへヘルメットを返した。
それを受け取ったハルトは、自らのヘルメットのシールドを外した。
「ごめんねいきなり。でもここからだったら、隣の駅から……」
「折角だも
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