第2部
ダーマ
賢者☆誕生
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っ!!」
ナギはナギでビビアンの姿を見た途端、鼻血を出して倒れてしまった。
「お、おはよう、ビビアン。ごめんね、お休みのところ突然お邪魔しちゃって。元気だった?」
場を取りなすように私が間に立つと、はっと我に返ったのか、目の焦点を私に合わせるビビアン。
「みっ、ミオまでどうしてここに!? いやでもそれより、一体全体どーしたのよシーラ!! その姿!!」
彼女が疑問を抱くのも無理はない。今までバニーガール姿だったシーラが、イシスのピラミッドで見つけたマジカルスカートを身にまとい、三賢者イグノーの杖を手にして戻ってきたのだから。おまけに今は巻き毛ではなく、ストレートヘアなので、ことさら以前とは印象が違っていた。
「えっと、あのね。あたし、遊び人から賢者に転職したの」
「けん……じゃ?」
どうやら賢者という職業を知らないようだ。かくいう私もユウリに聞くまで知らなかったのだが。
「要するに、すっごい職業にジョブチェンジしたってことよ★」
横からアルヴィスがウインクしながらビビアンに説明してくれたことで、ようやく彼女は納得してくれた。
「何だかわかんないけど、それがシーラの望んだことなのよね? それが叶ったってことでいいのかしら?」
「うん、そうだよ☆」
シーラがにっこりと笑顔を見せると、ビビアンはアルヴィスと同じようにシーラに抱きついた。
「そう、それならよかった!! だってあなた、旅に出る前まで、ずっと何か思い悩んでたじゃない。でも、今はもう大丈夫みたいね」
「あたし……、ビビに言ってたっけ?」
「ううん。何も言ってなかったわ。でも、そういう風にしか見えなかったもの。何か隠してるなあって思ってたけど、シーラが言わなかったから、私も黙ってた」
「ビビ……」
ビビアンもアルヴィスも、シーラが何かを抱えこんでいたことに気づいていた。それでも二人はあえて尋ねようとはせず、ずっと彼女のことを見守り続けていた。きっと三人それぞれに葛藤があったのかもしれない。でも今こうして本当の気持ちをわかりあえることが出来たからか、三人ともどこか晴れ晴れとした表情に変わっていた。
「二人とも、シーラのことが大好きなんだね」
私がなんとなしに言うと、ビビアンは急に驚いたように目を瞠った。
「もう、ミオったら、はっきり言いすぎ! まあ、事実だけどさ」
「まあまあ、ビビ。ミオくらい素直な方が男のコにモテるわよ」
苦笑しながらもビビアンに話すアルヴィスの顔も、ほんの少し赤くなっている。私はそんな三人の関係をうらやましいと思いながら、一人眺めていたのだった。
それから私たちはビビアンを誘い、アルヴィスの家に集まることにした。
二人と別れてからの旅の話、シーラの実家のこと、賢者になった経緯、ビビアンの初舞台、アルヴィスの店
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