第2部
ダーマ
賢者☆誕生
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れ、息も絶え絶えのシーラは、なんとか空気を吸おうとアルヴィスの腕から逃れる。
「あら、ゴメンなさい。つい感極まっちゃって」
喉元を押さえて咳き込むシーラだったが、アルヴィスの顔を見るなり破顔する。
「ううん、あたしもアルにまた会えて、すっごく嬉しい!! アルも、相変わらず元気だね☆」
「あったり前じゃない! こんな世の中だもの、せめて自分だけでも楽しまなくちゃ♪」
アルヴィスは相変わらず元気で明るい。シーラが明るくなったのも、きっとアルヴィスと一緒に生活していた影響があるのだろう。ダーマであんな目に遭っていたシーラを初めて救ったのは、他でもないアルヴィスなのかもしれない。
「聞いて聞いて!! あたしねぇ、賢者になったんだよ!!」
「え、賢者!? 賢者って、あの三賢者で有名な人と一緒の職業ってこと?」
「う、うん!!」
さすがのアルヴィスも、シーラが賢者になったなんて信じられないんじゃ……と思ってしまったが、
「やっだあ!! 何それすごいじゃない!!」
どうやら取り越し苦労だったようである。その素直な反応に、アルヴィスがシーラのことを心から信頼しているのがはっきりと見てとれた。
「へへ……。アルには伝えておきたかったんだよね」
照れながらそう言うシーラに、アルヴィスは柄にもなく顔を赤らめる。そして、シーラの艶やかな金髪をわしわしと撫でた。
「もうっ!! かわいいんだからっ!! シーラのそう言うところがスキよ★」
そう言って恥ずかしがるアルヴィスも、普段と違ってなんだか可愛らしく見える。
「アルヴィス。ビビアンにも会いたいんだけど、劇場に行っても大丈夫?」
「ええ。今の時間帯ならまだ稽古前じゃないかしら。アタシもまだ開店前だし、一緒に行ってあげるワ」
アルヴィスの厚意に甘え、私たちはすぐにビビアンのもとへと足を運んだ。しんと静まり返る劇場の裏へと案内されると、今回は稽古場ではなく寮の方へと向かった。
「え、マジで……? 本当にこんな間近でビビアンちゃんに会えるのかよ……」
後ろで何やらぶつぶつと独り言をつぶやいているナギのことはとりあえず放っておくとして、私たちはアルヴィスに案内された寮の一室に足を止める。
「ビビー!! 起きてる〜!? 超ビッグゲストが来てるわよ〜!!」
コンコン、とノックする音とアルヴィスの声に反応したのか、ガタガタっとあわただしい物音が聞こえてきた。
「もうっ!! アルヴィスったら、こんな朝っぱらからビッグゲストって……」
扉を開けると同時に現れた、寝ぼけ眼のビビアンの目が、ぱっちりと見開いた。
「やっほ〜、ビビ♪ 久しぶり☆」
「え、待って……、まさか、シーラ!?」
寝起きなのか、彼女のキャミソールの肩ひもがずるりと落ちる。
「ビビアンちゃんの寝間着姿……、ぐはあ
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