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おっちょこちょいのかよちゃん
260 薔薇の花束
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緒で嬉しいわ。私もそうした方がいいと思うわっ!」
「うん、そうだね!」
 藤木は早速遊女の一人を呼出した。
「おはようございます。茂様。そしてりえお嬢様」
「おはよう。早速なんだけど、薔薇の水を変えたいと思うんだ。いいかな?」
「ええ、勿論です。萎れては困りますからね。一日二回、水を変えておきますね」
 遊女は花瓶に入った12本の薔薇を持って行った。
「それじゃ、食堂に降りて朝ごはん食べに行こうよ」
「うんっ!」
 藤木とりえは身支度を整える。
「そうだ、りえちゃん・・・」
「え?」
「ここであった時、最初は僕に『この世界にいちゃダメだ』って言ってたけど、今日はなんか僕と一緒でなんか嬉しいみたいだね」
「だって折角会えたんだもん。好きになっちゃって・・・」
「そっか、僕、ずっとりえちゃんの事、好きでいるよ!」
「うん!」
 二人は朝食を食べに食堂へと降りるのだった。そこには紂王や妲己、他の遊女や衛兵達もいた。
「おはようございます、茂様、りえ様!」
「おはよう!」
「おはよう、それでは食事と行こうか」
 皆は食事の席に着く。ここでの食事は朝でも豪華だった。和のものも洋のものも置いてある。
「ところで坊や、お嬢。あの薔薇の花束は如何かね?」
 妲己が質問した。
「はい、とても嬉しいです!りえちゃんに相応しいプレゼントだと思いました!」
「そうか、良かった。あの薔薇の意味を送り主のナポレオンから聞いてみたのだが、薔薇は12本あると『私と付き合ってくれ』という意味があるそうだ。そして赤や深紅の類の色は『愛』『恋』という意味も含まれているという」
 紂王が説明した。
「そうなんですか!?ありがとうございます!僕、なんかここに来た時のりえちゃんの様子がとても心配だったんです。あの薔薇があって本当によかった!」
 藤木は感謝した。
「ホホホ、それはよかった。仲良く楽しく暮らせそうね」

 フローレンスは通信機で杯の奪還へ進むゆりと連絡を取っていた。
「そうですか。夜中にトロツキーと戦いましたのですか。お疲れ様でした」
『それでレーニンとかいう人の声が聞こえてね。杯は少なくとも本部にないけど私達が探し当てるのは無理だって言うのよ』
「そうですか。こちらでは安藤りえちゃんを攫いました妲己といいます女が怪しいのですが他の者に譲渡しました可能性もありますからね。こちらでも可能な限り捜索します」
『ありがとう。こっちもくまなく探すわ』
 連絡を終了した。フローレンスは考え続ける。
(剣や杖の時はすぐに検討がつきましたのにどうして杯だけは見つかりにくいのでしょうか・・・?)

 杉山はレーニンと本部へと進み続ける。
「はて、ゲオルギーが杖の所有者に接近したようだが・・・」
「ああ、そうだな。あいつらにも
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