260 薔薇の花束
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のに親によってそのような仕打ちを受ける事があまりにも気の毒すぎて妹と共に泣きたくなってしまった。その時は出所する日が来るまで時折祈っていたものである。
夜が少しずつ開けて行く。かよ子は早めに目が開いた。
「ふあ・・・」
これからまた次へ進まなければならない。自分が杖を奪われてしまって取り返す行為に手間取った為に本来の目的が大幅に遅くなってしまった。
「よし、これからまた行かなくちゃ!!」
かよ子は少しずつ羽根を動かして先へ進むことにした。
「お、かよちゃん、もう起きたんだね」
「あ、関根さん・・・」
「はは、警察の仕事には夜勤もあるから時々早く起きたり、あまり寝れなかったりするものなんだ」
「そうですか・・・」
「まあ、羽根を少し進めてもいいよ。少しでも早くやる事を済ませたいだろうし」
「は、はい・・・」
かよ子は構わず羽根を進めた。
「少しくらいなら、大丈夫だよね・・・?」
かよ子は皆が起きる前に羽根を動かしたが気にしなかった。
「・・・はっ!」
関根が嫌な気配を見聞の能力で感じていた。その時、大野も起きた。
「お、大野君、起きたの・・・!?」
「ああ、嫌な気配を感じちまって起きたんだ」
「ど、どこなんだろ・・・!?」
その時、銃が発砲するような音が聞こえた。
「え!?ど、どこ!?」
そしてかよ子達の羽根に鉱物が飛んできた。幸い、羽根の結界やかよ子の武装の能力が働いた為に無傷ではあったが、このまま逃げても巻けないと思い、杖を取り出して戦闘準備に入った。
「誰なの、どこにいるの・・・!?」
「やれやれ、折角杖をこちらの物にしたのにまた取られるとはな・・・。ヴィクトリアも女王のくせにへまをやってくれたものだ」
髭を生やした男性が近づいて来た。
「私の杖を取りに来たんだね!?」
「その通りだ。杖の所有者・山田かよ子。このゲオルギーがもう一度、その杖を我々の世界の物とさせて貰うのだ」
「な、新しい敵か、ブー!?」
他の皆も次々と起き上がる。
「何奴、杖は渡さんぞ!」
次郎長達も直ぐ様戦闘体制に入った。
「私はもうそんなおっちょこちょいしないよ!」
(私の杖は前よりも強くなったんだから!!)
新生・杖を使用するかよ子の最初の戦いが始まる。
藤木は朝となり、起きた。この日は少し寝坊してしまっていた。隣にりえが眠っていた。
「りえちゃん、おはよう」
丁度りえも起きた。
「あ、藤木君、おはよう」
りえの方は昨日までの表情とは打って変わっていた。藤木を見つめて笑顔だったのだ。
「そうだ、この薔薇、枯れないように毎日水を変えないとね」
「ええ、あの、藤木君」
「え?」
藤木は驚いた。りえが自分の頬にキスしたのだった。
「藤木君と一
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