第127話『出し物』
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「それでは、今から文化祭で行う出し物を決めていきます。この学校の文化祭は2日間にかけて行われますが、出し物は2日間を通して同じである必要があります。出し物の規定ですが、飲食物の提供や商売まで、実現可能であれば何でもあり。加えて、他クラスとの被りも容認するそうです。ただし、自分たちの教室以外の場所を借りる場合は本部に事前に申請するように、とのことでした」
教卓に手を付き、意気揚々にクラス中に呼びかけるのは学級委員である莉奈だ。というのも、文化祭の実行委員は学級委員が務めることになっている。
真面目に職務をこなす彼女の様子は、クラス代表という立場がようやく板についてきたといったところか。文化祭の企画書をガン見している点が少し惜しいが。
「あと、文化祭が終わった後の後夜祭にて、最も好評だった出し物を行ったクラスに表彰と褒賞があるそうです。ぜひ頑張りましょう! それでは、意見のある人は自由に言ってみてください!」
そして莉奈が実行委員ということは、当然晴登もその1人。今は彼女の後ろで書記として、黒板に文字を書く用意をしている。
さて、出し物に優劣が付くとなればみんな本気を出すだろう。今からどんな意見が飛び交うことやら。
「なんか屋台やりたい!」
「ライブやる!」
「お化け屋敷は?」
「やっぱ劇っしょ!」
我先にと挙げられた意見を1つずつ黒板に書き記していく。どれも文化祭といえばでよく聞く出し物ばかりだ。オーソドックスゆえに、力も入れやすい。
「ちなみに屋台って例えば?」
「射的!」
「わたあめ!」
「型抜き!」
「金魚すくい!」
「う〜ん夏祭り」
最近遊んだ経験があったせいか、共通点がすぐに見つかる。これならイメージも付きやすいし、仮に金銭のやり取りが発生しても違和感はない。だってどうせならお金稼ぎたいし。
「焼きそば!」
「たこ焼き!」
「カレー!」
「タピオカ!」
「チーズフォンデュ!」
「チーズフォンデュとか、ホントにできるの……?」
「できるかどうかは後で考えよ。あ、あとプリン追加しといて」
「さらっと自分の欲望を漏らすな」
屋台でありがちなグルメが次々と挙げられる。本当にそんなものがあるのかと耳を疑うようなものもあるが、それはそれで面白そうでもある。
「迷路とかアリじゃない?」
「ゴーカートやろう!」
「メリーゴーランドも!」
「ならジェットコースター!」
「待て待て! やりたい放題すぎるだろ!!」
そして出し物のハードルがドンドンと上昇し、ついに遊園地のアトラクションにまで手を伸ばし始めてしまった。そのあまりの飛躍に、思わずツッコミが口から出てしまう。
しかし直後、クラ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ