第六十四話 料理部だから思うことその四
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「それでね」
「そうした人達がなのね」
「実際にね」
「鰐も生で食べるの」
「そうするから」
だからだというのだ。
「あるけれど。やっぱりね」
「慎重にすべきね」
「一旦徹底的に凍らせて」
貝柱の後酒を飲んで話した。
「それからにした方がいいわ」
「やっぱりそうなのね」
「鯰もピラルクもそうでアナコンダも」
「蛇を生で食べるのね」
「いや、食べない方がいいでしょ」
かな恵は酔って真っ赤になりつつも真剣な顔で答えた。
「アナコンダは」
「やっぱり寄生虫ね」
「それが心配だから」
それでというのだ。
「鰐も怖いけれど」
「アナコンダはなの」
「凍らせないとで」
生では食べないでというのだ。
「そうでなくても基本ね」
「生は危ないの」
「虫いなくてもね」
そうであってもというのだ。
「危なそうだから」
「生では食べたら駄目なのね」
「そう思うわ」
「大きいから食べるところ多そうでも」
「あっ、蛇って骨多いから」
かな恵はアナコンダだけでなく蛇という生きもの自体の話をした。細長い独特の形をした彼等のことを。
「細い身体に二百本位あるから」
「ああ、そう言われたら」
ブラジルから来た娘も頷いた。
「それはね」
「だから食べるところはね」
「あまりないのね」
「結構美味しいらしいけれど」
「鶏肉みたいな味らしいわね」
「鰐もね」
これは蛙もである。
「何しろ爬虫類から鳥類になってるから」
「それで鶏肉みたいな味ね」
「私も鰐食べたことあるけれど」
「私も。実際にね」
「鶏肉みたいな味よね」
「ええ、だから蛇がそうした味でもね」
鶏肉に似た味でもというのだ。
「驚かないけれど」
「食べるところは少ないのね」
「骨の数は他の生きものと変わらなくても」
「身体がね」
「細長いでしょ、そこに内臓もあって」
それでというのだ。
「内臓食べるならいいにしても」
「お刺身にしたら」
「アナコンダでもね」
「少ないのね」
「そうじゃない?」
こう言った。
「だからアナコンダはね」
「お刺身にしないの」
「私は向いてないと思うわ」
「そうなのね」
「お魚や鰐は出来てもね」
それでもというのだ。
「それは無理でしょ」
「そうなのね」
「ただ食べたいとはね」
アナコンダ自体はというのだ。
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