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ドリトル先生とタキタロウ
第七幕その九

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「それは安全のことを考えていなくてね」
「働く人達の負担も考えていなくて」
「それで何時かは事故を起こしたりして」
「駄目になるからだね」
「経営という視点から見ても駄目だよ」
 ブラック企業はというのです。
「安全も社員の人の負担も考えない企業に就職したい人はいないね」
「うん、いないよ」
「普通はね」
「冗談抜きでどうなるかわからないから」
「自分自身がね」
「だからそうした企業は潰れるよ」
 先生は断言しました。
「間違いなくね」
「そうだよね」
「評判が悪いとそれだけでアウトだからね」
「人はホワイト企業に行くから」
「それでだね」
「そう、だからね」
 まさにというのです。
「ホワイト経営がいいんだよ、産業革命の頃の経営なんてね」
「あんなのやったらね」
「ずっとそうしていたらね」
「確実に破綻するよね」
「その時は」
「そうだよ、だから労働運動が起こってね」
 そうなってというのです。
「労働組合も出てね」
「イギリスで労働党が誕生したね」
「まさに労働者の為の政党が誕生したね」
「そうだね」
「そうなったんだ」
 実際にというのです。
「それでもよくない経営者の人はいて」
「それでだね」
「ブラック企業もあるんだね」
「二十一世紀になっても」
「そうだよ、けれど産業革命の頃もあのままだと」
 労働者の人達が過酷な状況のままならというのです。
「確実に社会自体が破綻していたよ」
「幾ら資本家、経営者の人達が儲かっても」
「働く人達を酷使していたら潰れていくしね」
「それで働く人がいないとね」
「経営が成り立たないから」
「だからあのままだとね」 
 産業革命のままの経営状況ならというのです。
「もうね」
「それならですね」
「破綻してね」
「経営も何も出来なくなっていたわ」
「そうなっていたよ」
「機械があっても機械を動かすのは人でね」
 そうであってというのです。
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