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第五話 神剣その一

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                第五話  神剣 
 鏡護は気配を感じ社の中に入った、そしてだった。
 祀ってある剣の前に立った、そのうえで。
 扉が開かれそこから人が入ったのを見て言った。
「天の龍か地の龍か」
「地の龍です」
 ??は灯りのないその中に入って答えた。
「僕は」
「なら帰ることだ」
 鏡護は険しい顔になって答えた。
「この剣は天の龍が持つものだ」
「いえ、僕は言われました」
 ??は彼の前に来て答えた。
「剣はです」
「地の龍が持つべきとか」
「はい、そしてです」
 ??は無表情機械の様なそれで以て述べた。
「地球を救うことだと」
「そう言われたか」
「そうです、地の龍は地球を救う運命にあると」
「人間を滅ぼしてだな」
 鏡護は??に言った。
「そうしてだな」
「そうなろうともです」
 ??はまた答えた。
「地球を救うべきだと」
「そうか、だからか」
「どいてくれますか」
 ??は鏡護に言った。
「この度は」
「剣を手に入れるからか」
「はい、ここはどうか」
「嫌だと言えばどうする」
「殺してはならないと言われています」
 ??は庚から言われたことを話した。
「ですが」
「それでもか」
「そうしなければいいと」
「そうか、しかしだ」
「どいてくれないですか」
「わしはこの社の主でありだ」
 ??に意を決している顔で告げた。
「そしてだ」
「剣を護られますか」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「決してだ」
「渡してくれないですか」
「どうしてもというならだ」
 それならというのだ。
「わしを倒してからにするのだ」
「わかりました、ですが」
 ??は表情のないまま言ってきた。
「僕は地の龍ですから」
「並の者では相手にならぬか」
「貴方もお強いと思いますが」
 それでもというのだ。
「地の龍である僕にはです」
「敵わないか」
「ですから」
 それ故にというのだ。
「ここはどいて欲しいですが」
「そのつもりはない、断じて渡さぬ」
 護鏡は手にしている刀を抜いて応えた。
「これがわしの務めだからな」
「そうですか。では」
「来い」
「仕方ないです」
 ??は前に出た、そうしてだった。
 剣を持って前に出た、そのうえで庚のところに向かうが。
 偶然彼を見て草薙は顔を顰めさせて惨いと思った、だが気配を探し鏡護のそれが消えていないことにはほっとした。
 庚は??が戻りその剣を見て微笑んだ。
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