第49話 =一夜後の教会=
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してきたのがキバオウという男です」
その名前には俺、キリト、アスナの3人は聞き覚えが合った。当時、ベータテスターを毛嫌いしている代表的なプレイヤーといっても過言ではなかっただろう。ただ、あの時はあの人もクリアへの意志が強かったはずだが…。
「彼はシンカーが放任主義なのをいいことに同調する幹部プレイヤーたちとともに体制の強化を打ち出してギルド名を《アインクラッド解放軍》に変更させました」
そして犯罪者狩り、効率のいいフィールドの独占を公認の方針として推進したらしい。犯罪者狩りは黒鉄宮にいる犯罪者の監視が24時間《軍》によって成されているので今でも支持は得ている。ただフィールドの独占は他プレイヤーから見ればただの迷惑行為、犯罪者狩りで得た支持すらをも無くすほどの物だった。当たり前というかなんと言うか、独占により軍の収入は劇的に増えてより力をつけたキバオウ一派は調子に乗って昨日のような徴税という名のカツアゲを始めたらしい。
「それで…昨日アスナに無双されたのがそのカツアゲ隊の一部…ってこと?」
「私だけじゃないよ…というかリクヤ君が先に仕掛けたんじゃない…」
アスナはそういうし、実際先に手を出したのは俺だけど一番攻撃していたのはアスナだった気がするのは気のせいだろうか…などと思っているうちにユリエールさんの話は続く。
どんな団体でもパーフェクトというのは絶対になく、キバオウたちもそれに漏れずに問題をいくつか抱えていた。本来の目的であるはずのこの城の攻略を蔑ろにして物資の補給ばかりにうつつを抜かしていたので末端のプレイヤーからの文句が絶えなかったらしい。
末端をどうにかして押さえないとやがて団体は崩壊してしまう、と考えたのかキバオウは配下でレベルの一番高かったパーティ
で最前線の攻略に乗り出したらしい。
「……それって…コーバッツって人ですか?」
恐る恐るシリカが聞くと「よくご存知ですね」とユリエールさんが口を開いた。あれほど図々しいプレイヤーは攻略組…いやアインクラッドで生き残っている6000人の中にもなかなかいないだろう。
「皆さんもご存知かもしれませんが無謀な賭けの結果、隊長は死亡、パーティは解散という最悪の結果へとなりました。その無謀さを強く糾弾されたキバオウをもう少しで追放できるというところまで来たのですが…」
と、言葉を切って微量にしわを寄せながら唇を噛んだ。
「…そのキバオウが逃走…かしら?」
「いえ…それよりも酷いです。3日前、追い詰められたキバオウはシンカーを罠にかけるという強攻策に出ました。出口をダン
ジョンの奥深くに設定してある回廊結晶を使って、逆にシンカーを放逐してしまったのです。その時シンカーは、キバオウの言
った『丸腰で話し合おう』という言葉を信じたせい
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