第二章
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「趣味は人それぞれでも」
「そうだな、そしてわしの趣味はな」
「ビー玉集めっていうのね」
「昔からな、そしてこれからもな」
「その趣味を楽しんでいくのね」
「そうするな」
「好きなだけ集めていいわよ」
祖母は笑顔で話す祖父に告げた。
「ビー玉はね」
「婆さんもそう言うしね」
「これからもなのね」
「ああ、楽しんでいくぞ」
笑顔で言ってだった。
三郎はビー玉を集めていった、そうして余生を過ごし。
九十を超えて大往生を遂げた、その時まだ祖母は健在だったが佐緒里は結婚して息子がいた、その息子の義春は小学生になったばかりだが。
祖父の遺品の一部の多くのビー玉達を見て母である佐緒里に言ってきた、ややふっくらとした顔で色白のあどけない顔は父親譲りだ。
「お母さん、物凄く沢山のビー玉があるね」
「ひいお祖父ちゃんが好きだったのよ」
母として息子に答えた。
「ずっと集めててね」
「こんなに沢山あるんだ」
「熱帯魚とね」
それにというのだ。
「ビー玉が好きだったのよ」
「その二つがなんだ」
「そうよ、それでどうしようかしら」
ここで佐緒里は夫と、だった。
自分の両親と兄弟に叔父や叔母それに祖母と話した、その話すことはというと。
「熱帯魚もビー玉も」
「熱帯魚飼っていいか?」
父の弟である叔父の一人が申し出てきた。
「うちの家は皆熱帯魚好きだから」
「飼ってくれるの?」
「ああ、そうしようか」
こう祖母彼から見て母にあたる美代子に答えた。
「うちでな」
「それじゃあお願いね」
美代子はそれならと応えた。
「可愛がってあげてね」
「そうするな」
「是非ね、それでビー玉は」
「それだよな」
「どうしようかしら」
こらのことはだった。
皆考え込んだ、そうしてだ。
どうしようかという話になった、それで父の妹の叔母が言った。
「多過ぎるし然程お金にならないし命もないでしょ」
「それでなの」
「捨てろとは言わないけれど」
それでもとだ、母である美代子に話した。
「骨董品屋さんにでも売る?」
「そうしたらお金になるのね」
「少しでもね、だからね」
それでというのだ。
「今から段ボールにでも入れて持って行って」
「それで売るのね」
「そうしたらどうかしら」
「そうね、そうしようかしら」
一家でこんな話をした、そして佐緒里はその話の間にトイレで席を立った。その帰りの時にだった。
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