第四章
[8]前話
「ここは」
「日本語はわからないけれど」
和歌が書かれた短冊達を観つつだ。アンクはこうも言った。
「お花もあってね」
「それでね」
「この世のものでない様な」
「美って言うべきね」
「それを感じるね」
「そうね、日本は不思議な国だけれど」
チェシーは花そして和歌達を観つつ話した。
「ここは特にね」
「不思議でね」
「素晴らしい場所よ」
「ここは歴史ある神社らしいけれど」
アンクは平安神宮のこれまで聞いてきたことを述べた。
「それだけじゃなくてね」
「最高の花園だよ」
「そうね、これ以上はないまでの」
「素晴らしいよ、今日で日本とはお別れだけれど」
それでもというのだ。
「この場所のことはね」
「忘れないわね」
「そしてね」
「ええ、またね」
「日本にね」
「来たいわね、その時は春でないかも知れないけれど」
それでもとだ、チェシーは話した。
「けれどね」
「またここにね」
「来ましょう」
「そうしようね、この花園にね」
花達を観つつ話した、そして。
二人は平安神宮を後にしてウェールズに帰った、ウェールズに帰っても二人は多くの花達を見たが。
それでもだ、二人で話した。
「ウェールズのお花もいいけれど」
「どれもね」
「けれど日本のお花もね」
「よかったわね」
「特にね」
何と言ってもとだ、アンクは言った。
「平安神宮のお花達がね」
「最高だったわね」
「だからまたね」
「ええ、日本に行ったら」
「あそこにも行こう」
「そうしましょう」
二人で笑顔で話した、そしてだった。
二人で日本で観た花達のことを話した、彼等にとって春の京都とりわけ平安神宮の花達は忘れられないものとなっていた。
都の花園 完
2022・9・17
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