第三章
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「それでもね」
「それだけはあるかしら」
「それだけの美味しさだね」
「そうね、こんな美味しいお豆腐なんて」
「ないよね」
「ウエールズにはね」
こうした話をした、そしてだった。
二人で京都をさらに巡った、そのうえで。
旅行最終日この日に大阪の新国際空港まで行ってだ。
そこからイギリスに帰るつもりだ、二人はその日にだった。
平安神宮に来たがそこにある桜達を見て。
確かに奇麗だと思った、だがそれでもだった。
「これ位の桜はね」
「観てきたわね」
「そうだね」
「これまでね」
京都を旅行してというのだ。
「そうしてきたわね」
「そうだね」
「そんなにいいかしら」
「ガイドさんがお勧めするまで」
「どうかしら」
チェシーも首を傾げさせて言った。
「果たして」
「いいとは思っても」
「それでもね」
「普通位かな」
「京都の中では」
二人でこう話した、そうしてだった。
その中に入った、すると。
そこは日本風の庭園だった、翠の草木に小川がだった。
完全な自然の調和の中に奇麗に整ってあってだった。
「うわ、これは凄いね」
「そうね」
二人はだった。
そこにある様々な種類の花達を観てだ、思わず息を飲んだ。
「桜だけじゃないよ」
「梅や桃だけでもね」
「日本の至るお花があるじゃないか」
「四季を彩った」
「ええと、これは」
アンクは華達の傍にある札にある文字を観て言った。
「日本語だけれど」
「和歌を書いているみたいね」
「日本の詩だね」
「短いね」
「それね、何て書いてあるかはわからないけれど」
二人は英語しかわからないのでこう言った、ウエールズ語はもうなくなっていて二人も話すことも読むことも出来ない。
「お花それぞれにね」
「和歌があるから」
「お花を詠んでるのよね」
「そうだね、色々なお花があって」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「和歌まであるなんて」
「何て神秘的で幻想的なんだ」
アンクは恍惚とさえして言った。
「本当に」
「そうよね」
チェシーも同意だった。
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