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家族へのバレンタイン
第一章

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                家族へのバレンタイン
 石川希美は娘の夢子まだ小学三年生である娘の彼女と共にキッチンに立っていた、見れば二人共丸顔で二重の大きな目に赤い微笑んだ唇に黒髪だ。希美は黒髪を後ろで束ね夢子はストレートで伸ばしている。背は母は一五二位で娘は小三の女の子としては小柄だ。
 希美はボールの中のチョコレートをかき混ぜつつ夢子に話した。
「いい?まずはチョコレートに」
「火を入れてなのね」
「それで溶かしてね」 
 そうしてというのだ。
「それから型に入れているアーモンドとかにね」
「かけて」
「後は冷やすのよ」
「そうすればいいのね」
「それで冷えたら上からトッピングをしてね」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「奇麗になのね」
「飾るのよ、いいわね」
「うん。そうしてよね」
「明日はね」
 是非にと言うのだった。
「お父さんとお兄ちゃんにね」
「プレゼントするのね」
「そうするのよ、今のうちに作っておいて」
「明日バレンタインだから」
「その時にね」
 まさにというのだ。
「あげるわよ、いいわね」
「わかったわ」
 娘は母に笑顔で答えた。
「それじゃあ二人でね」
「作りましょう、お料理は大事よ」
「そうよね」
「何でも美味しく作れたらね」
「自分が楽しめるし」
「他の人達もそうなるからね」 
 自分が作った料理でというのだ。
「そうなるからね」
「覚えておくといいのね」
「お料理にお裁縫にお洗濯にお掃除が出来たら」
「一人でも暮らせるし」
「そういうこともお仕事にもなるからね」
「いいのよね」
「そうよ、それでお料理でね」
「チョコレートの作り方もよね」
「覚えていきましょう」
「わかったわ、お母さん」
 娘は母の言葉に笑顔で頷いた、そうしてだった。
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