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俺様勇者と武闘家日記
第2部
ダーマ
イグノーの遺志
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るアンジュさんは、パープルオーブを持って、自身の故郷であるジパングに帰ったという。逆にいうと、その一つだけしか手がかりがない。レッドオーブは海賊に奪われたし、イエローオーブに至っては、私の師匠であるフェリオが持っていたとされるが、そのオーブの行方は誰もわからないままだ。
 アープの塔で手に入れた山彦の笛を使えばオーブのある場所がわかるので、とりあえず新しい場所や町に着いたら吹くようにはしてるのだが、ただ闇雲に使うだけでは相当骨が折れる。なので使うにしても、ある程度目星をつけなければならない。
「そっか、じゃあ、次の目的地はジパングだね☆」
 その二つのオーブのことも二人に話し、改めて次の目的地をジパングにすることで決まった。
「で、ところでジパングってどこ?」
「……」
 シーラの直球な質問に、ユウリは無言で返す。
「おいおい、知識豊富な勇者様よお、まさかジパングがどこにあるのか知らないってのか?」
 ナギが癇に障るような物言いでつっかかる。もう、ナギってば、半年たっても学習しないんだから。
「おいバカザル。表に出ろ。最大級のベギラマを味わわせてやる」
 案の定、ユウリの逆鱗に触れてしまったようだ。けれどナギはユウリの挑発などどこ吹く風で、手元にあるオレンジジュースを呷る。
「そ、そう言うナギは知ってるの?」
「バカ言うなよ、ミオ。オレが知ってるわけないだろ?」
 ダメだこりゃ。こうも自信たっぷりに開き直られると、何も言えない。
「このバカザルに意見を求めるな、鈍足」
 ユウリにまで釘を刺される始末だ。私は呆れてしまい思わずため息をつく。
「えっと、だったら、ほんのちょっとだけ心当たりがあるんだけど……」
「? どしたの、ミオちん」
 私は、ホビットのノルドさんがジパングのことを話していた時、気が付いたことを皆に話した。
「あのね、私の名前なんだけど、『ミオ』って名前、お父さんがつけてくれたの」
「なんでいきなりお前の名前の由来を聞かせられなきゃならないんだ」
 すぐさまユウリに突っ込まれるが、私はあえてスルー。
「それで、なんでその名前を付けたの? って昔お父さんに聞いたら、『その名前はな、昔立ち寄ったジパングという国の言葉で、一番綺麗な響きだったからつけたんだ』って言ってたの」
「!?」
「確かミオちんのお父さんって、世界中を旅する商人だったよね? じゃあジパングにも行ったことがあるんだ」
「うん。その時は小さかったから特に気にしなかったけど、うちのお父さん、結構いろんなところを旅してたみたい」
 今思えば、一人で世界中を旅してるなんて、随分と無謀な気がする。それでも半年に一回はちゃんと家に帰ってくるんだから、実はお父さんはただ者じゃないのかもしれない。
「ジパングについても場所とかは全然聞いてなくて
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