第2部
ダーマ
イグノーの遺志
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いる間、この半年間私たちが何をしていたかを二人に話すことになったのだが。
「サルでもわかるように説明したはずだが、それでもわからないのか、このバカザルは」
「うるせえ!! 途中からお前の自慢話になったから、耳塞いじまったんだよ!!」
「まあまあナギちん、あたしがちゃんと聞いといたから、後でかいつまんで説明するよ」
「すごいね、シーラ!! ユウリの自慢話、ちゃんと聞いてたんだ!?」
私が感心すると、こめかみに青筋を立てたユウリが私の髪の毛を引っ張った。
「痛い痛い痛い!!」
「そこは別に感心するところじゃないだろ」
「相変わらずだね……。ミオちんたちは」
私とユウリのやり取りを見て、半ば呆れたように言い放つシーラ。うう、結局半年経ってもユウリからの扱いが変わらないのってどうなんだろう。
「要するに、魔王の城に向かうには不死鳥ラーミアの力が必要で、ラーミアを復活させるには残りのオーブを見つけないと行けないわけだね?」
「……賢者のお前は話が早くて助かる」
「ふっふーん☆ もっと褒め称えていーんだよ♪」
「前言撤回だ。前と少しも変わらんな」
ユウリとシーラのやり取りも、相変わらずで懐かしい。
「お待たせいたしました。本日のおすすめランチです」
感慨に耽ったところで、ようやく料理が運ばれてきた。再会記念と言うことで調子に乗って注文をしてしまい、普段よりもたくさんの料理がところ狭しとテーブルに並べられている。
「すいませーん、ボトルキープしてるお酒、全部出してくださーい!!」
「お前……、酒場でもないのにそんなことしてたのか」
ユウリが呆れと尊敬の入り交じった表情でシーラに視線を移す。
そんな中、私は目の前に出された料理に思わず感嘆の声を上げる。
「うわああ!! 何この厚さ!! こんなお肉食べきれないよ!!」
「んじゃあ半分オレにくれよ。ここ何日もまともな食事してねーんだ」
私が返事をするより早く、ナギは私のお皿に載っている分厚いポークソテーにフォークを突き刺すと、そのまま豪快に噛み千切ったではないか。
「えっ!? ちょっ……嘘でしょ!? 今のは言葉のあやだよ!? ほんとに食べきれない訳じゃないんだけど!?」
「だったらんなややこしいこと言うなよな! ほれ、返す!」
いやいや、そんな歯型つきのお肉を返されても困るんだけど。しかも半分どころか、三分の一くらいまで減ってるし。ああでも、もったいないから食べようかな。
「それで、次のオーブのアテはあるの?」
私が葛藤している横で、飲みかけのウイスキーの蓋を開けているシーラが、一人黙々と食べているユウリに尋ねる。
「ホビットのノルドに聞いた話では、サイモンの仲間が故郷であるジパングという国にオーブを持って帰ったらしい」
サイモンさんの仲間の一人であ
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