第六十二話 青く奇麗な海を観てその八
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「熱くなってきたわね」
「飲んでるとね」
「段々そうなってきたわね」
「このお酒美味しいから飲むの止まらないし」
「だからね」
「熱くなってきたわね」
「お酒回ってきて」
「そうよね、もうこうなったら」
コップに樽から杓で入れつつ飲んだ。
「脱ぐ?」
「いいわね」
「どうせシャツと半ズボンだし」
「見られてもいいし」
「そうした格好だと」
「あんたその恰好なの」
先程のイギリスから来た女子サッカー部の一年生も言ってきた、見れば酒がどんどん回って身体全体が赤くなっている。
「私体操服よ」
「浴衣の下は」
「それで下もね」
「体操服のなの」
「半ズボンよ、膝までのね」
「あんたそれ着てるのね」
「ええ、これがいいと思って」
おちょこで飲みつつ話した。
「それでよ」
「上下体操服ね」
「別にいいわよね」
「いいんじゃない?下着じゃないと」
一華は酔いが回っている顔で答えた。
「それなら」
「そうなのね」
「ただね」
「ただ?」
「昔だと浴衣並に危なかったわね」
キスの天麩羅を食べつつ言った。
「昔の体操服だと」
「昔の日本の」
「ほら、昔の日本の体操服って下ブルマだったじゃない」
このことを言うのだった。
「女の子は」
「あのショーツみたいなの」
「あれだったからね」
それでというのだ。
「浴衣脱いでもよ」
「危なかったのね」
「ブルマってね」
一華は飲み続けつつ話した。
「もう性犯罪を増やすね」
「ああ、あんなのだとね」
イギリスからの娘もそれはと応えた。
「見てるだけでね」
「男の子ならよ」
「むらってくるわね」
「今だってよ」
一華はここでこの場にいる男子達を見て話した。
「見てるでしょ」
「ちらちらとね」
「浴衣はだけるかってね」
「それではだけて下がティーシャツとか体操服でね」
体操服はこの娘以外にもいた、むしろティーシャツ組と体操服組が半々といった風で競り合っている様だ。
「何だってね」
「なってるでしょ」
「そうよね」
「これがよ」
一華は強い声で言った。
「水着だとね」
「それアイドルの写真集であるわよね」
「浴衣の下が水着って」
「そうよね」
「写真集の水着って下着だから」
それになるというのだ。
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