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冥王来訪
第二部 1978年
影の政府
三界に家無し その3
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取り回しが楽で使いやすい。
ただ、再装填時の弾倉を取り替える為に行う動作の大きさは、場合によっては危険を伴う。
そして、全長が短くなっている分、照門と照星の間の距離は短くなり、狙いが定めにくくなる。
無論、戦術機に搭載されている補正機能で補うから問題は無かろうが、非常時の目視標準が出来ないのは、十分なデメリットではないのか。 
長銃身の方が、機関砲の冷却が十分に出来るし、装薬量を減らして銃身や銃本体の寿命が伸ばせられる。
 長銃身の機関砲を標準装備したほうが生還率が上がりそうだが、この世界の人間の考えることは良く判らない。
一応、ゼオライマー同様、最低限の格闘戦も可能なように、強力なフレームとモーターに換装した。
 人工筋肉や、間接思考制御という怪しげな技術に関しては、事情を詳しく知らないが、この存在が戦術機開発や操縦のデメリットになっていやしないだろうか。

 先に(たかむら)に渡した図面にかいた月のローズ・セラヴィーの必殺兵器、ジェイ・カイザー。
一撃で山を吹き飛ばすほど強力なエネルギー砲であるが、次元連結システムがなければ連射は出来ない。
鉄甲龍の同僚ルーランが改良したように、エネルギーチャージシステムにするにしても、何のエネルギーをチャージするかによって変わって来る。
使い捨ての衛星で落雷の衝撃をエネルギー変換するには、非常に効率が悪いし、費用も掛かり過ぎる。
 光線級のレーザーを吸収して、撃ち返すビーム砲も作れなくもないが、18メートルしかない戦術機にはもてあますであろう。
ちょうど、この世界の海軍の艦艇は、未だに大艦巨砲主義なので、艦載ビーム砲にするのも良いかもしれない。
 だが、葎が操縦するローズ・セラヴィーが繰り出してきたジェイ・カイザーで、散々な目に遭ったマサキは、其の案を一度書き起こしたものの、危険視した。
一度書き起こしては見たものの、考え直して、ゴミ箱に入れてしまった。
 篁にローズ・セラヴィーの図面は渡したから、解析されるだろうが、次元連結システムが無ければ連射出来ないガラクタ。
グレートゼオライマーに積めば、無敵の武器となると考え、一応改良案を書き起こすことにした。



 その様な事を考えて、紫煙を燻らせていると、ドアを叩く音がして、顔を向け、
「誰だ」と返事をする。
「わたしです、せめてお食事でも」
美久の声で、現実に引き戻されたマサキは、左腕のセイコー5を見る。
すでに時刻は、9時前であった。
 タバコを咥えた侭、隣の部屋に行き、
「中華の出前(デリバリー)か」
「この間、白銀さんといった店がおいしいというので」
「俺がそんな事を言った覚えはないぞ」
「黙っていても、顔に書いてありましたから」
 美久はそう言って、マサキから顔を背けた。
「人形の癖に、随分大
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