第二部 1978年
影の政府
三界に家無し その3
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ち)を走らせながら、内臓コンピュータと操作システムについて考えた。
光線級の攻撃を防ぐために張り巡らされた重金属の雲の下を走り抜ける戦術機には、通信機能が強化されているとはいえ、電波航法システムに依存している。
元の世界では、1978年に米軍は全地球衛星測位システム、俗にいうGPSが作られ始めていたが、この世界では人工衛星を用いた大気圏迎撃システムが構築され始めている。
おそらくGPSに似たシステムがあるのだろうが、活用しない手はない。
そして、GPSによる電波航法と自らのセンサー類に基づく自立航法が簡単にできるようなシステムを組み込めたらと、夢想してみる。
ただ、同様の事は戦術機の技術者でも考えている者がいるだろうから、それらにまかせるとして、簡易版の人工知能装置について考え始めた。
人工知能は、パイロットが意識を失っても基地に帰還可能な自動操縦装置と、自動射撃補正は必要であろう。
マサキ自身は八卦ロボの操作システムをBASIC言語で作った男である。
(BASIC言語は、1964年に米国で作られたパソコン用プログラミング言語)
戦術機のシステム改変で、裏口を仕込む事など造作もなかった。
無人の戦術機に仕掛けた自動操縦のプログラムで、、ゼオライマーからの秘密指令で動く大型ロボットと変化する裏口を準備した。
かつて自分をだまして殺した元の世界の日本政府の様に、この世界の日本政府も命を奪いかねない。
現にソ連からは複数回、命を狙われたのだ。
『備えあれば患いなし』との言葉通り、設計している戦術機の改良型システムには、仕掛けを入れよう。
ダイダロスが作った青銅の巨人タロスの様に、この自分とゼオライマーの危機の際は、敵を殲滅させるのも一興だ。
その様な事を考えつつ、射撃補正のシステムに関する簡単なメモを、書き加えながら、一人ほくそ笑んだ。
結論から言えば、マサキのかき上げたF4ファントム、A10サンダーボルトの図面は全く別な機体になっていた。
機体の頭部、上半身の外装部品こそ、元の面影を残しているが、下半身はまったく別物だった。
まず、機体を支える脚は2倍から2・5倍の太さになった。
脚部の背面部分は、新造の推進装置に置き換えられ、まるで放熱板を並べる様に付けた形になっていた。
腰部の噴出跳躍システムは外され、新造された草摺り型の推進装置を、腰回りを覆う様にして付け足した。
その姿は、まるで古代の武人をかたどった埴輪の様に見えた。
背中の可動兵装システムと突撃砲のシステムは複雑であるし、特許関係もあるので、温存した。
ただ、意見としてブルパップ方式から従前型の自動小銃の形に変更する様、書き添えた。
ブルパップ方式は、たしかにハイヴ攻略の閉所戦闘では、
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