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機動6課副部隊長の憂鬱な日々
第79話:戦い終わって
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「全部・・・終わった?」

俺の言葉にシャマルはゆっくりと頷く。

「そう。だから安心して今は眠りなさい、ゲオルグくん。
 あなたはよく頑張った。だから、今はゆっくり休みなさい」
 
シャマルは微笑んで俺の頭を撫で続ける。
俺はその心地よいリズムに誘われるように再び眠りに落ちた。



次に目を覚ますと、部屋はオレンジ色の光に包まれていた。
俺の身体には相変わらず、チューブや電極が刺さっていたが、
ベッドの周りにはカーテンがなく、部屋のブライドの隙間から
オレンジ色の光が差し込んできていた。

身体を起こすとどうせ痛いだろうと思いそれは諦め、
首だけ動かして部屋の中を見回す。
どうやら俺はアースラの医務室から移送されたようで、
部屋の様子がずいぶん変わっていた。

しばらくそうしていると、部屋のドアが開き白衣を着た男性が入ってくる。

「おや、目を覚まされたようですね。気分はどうですか?」

医師らしき男が俺の顔を覗き込みながら尋ねてくる。

「悪くないです」

「吐き気とかめまいは?」

「ないです」

「痛みはありますか?」

「体を起こそうとすると胸の下あたりが痛みます」

「そうでしょうね。あなたは肋骨を3本骨折したんですよ。
 ほかにも全身に打撲もありますし、頭も強く打ったようですからね。
 ですが、吐き気やめまいがないなら脳障害の心配はなさそうですね」

医師はそう言いながら手に持った端末に何やら入力していく。
そして、ベッドの脇にある機械を操作すると、再び俺の顔を見た。

「お見舞いの方が見えてますが、お通ししますか?」

「誰です?」

「機動6課の・・・八神二佐ですね」

「通してください。話したいことが山ほどある」

「判りました。では少々お待ちください」

医師はそう言って、部屋から出て行く。
しばらくブラインド越しに見えるオレンジ色の空を眺めていると
ドアの開く音がした。
見ると、はやてが俺の方を見て立っていた。
が、入口のところで立ち止まってなかなか近づいてこない。

「そんなところでつっ立ってないで、こっち来て座れよ」

「え・・・うん」

はやてはゆっくりと近づいてくると、近くにあった椅子を持ってきて、
俺のベッドのそばに座る。

「悪いけどこのままでいいか?あちこちまだ痛いんだ」

「えうん・・・ええよ。気にせんといて」

「でさ、いろいろ聞きたいことがあるんだけど、いいか?」

俺の言葉にはやては無言で頷く。

「じゃあ、ゆりかごはどうなった?」

「作戦は無事成功。ゆりかごは破壊されたよ」

「そっか。悪かったな、途中から役に立てなくて」

「ううん、ええ
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