第六十一話 合宿がはじまってその十一
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「無理ってことね」
「ううん、人間そんな人もいるなんてね」
「一華思ってなかったの」
「弥勒菩薩は皆救ってくれるっていうから」
この仏はというのだ、今から五十六億七千万年後にありとあらゆる者を救うとされている。それは果たす為に今は修行中とされている。
「だからね」
「いや、それ仏様がだから」
「仏様だから出来るの」
「それも弥勒菩薩って凄い仏様じゃない」
仏の中でもというのだ。
「かなり位の高いね」
「だから出来るの」
「それが人だとよ」
「無理ってことね」
「それもお釈迦様でもキリストでもない」
「普通の人なら」
「もうね」
それこそというのだ。
「そうそうよ」
「出来ないってことね」
「そうよ、それこそ神様や仏様でないと」
「救えない人もいるのね」
「まあ流石に神様や仏様に救われたら」
理虹はその場合のことも話した。
「どれだけとんでもない人でもね」
「心入れ替えるのね」
「昔話でもそういうのあるしね」
稀代の悪党が神仏の力で助かり諭されて改心する、物語の王道展開の一つであると言えるであろう。
「神様仏様ならよ」
「救えるのね」
「けれど逆に言えば」
「人ではなのね」
「救えない人もよ」
どういった宗教や哲学の教えを話してもというのだ。
「いるのよ」
「そうしたものね」
「もう心がね」
理虹は話を続けた。
「人間でなくて餓鬼とかになっていて」
「そこまで堕ちていて」
「それでね」
そうなっていてというのだ。
「もうね」
「人間では救えない」
「それで碌でもない末路を迎えるわ」
「というかよ」
富美子はここで憮然として言った、最後に上がったが。
残ったカードがババだったのでだ、憮然として言ったのだった。
「時々チンピラそのもののドキュンがいるでしょ」
「最底辺の学校とかにね」
一華がまた応えた。
「いるわよね」
「暴力と悪い遊びしか知らない」
「常識も教養もないね」
「モラルもね」
「生きてるだけで害になる様な」
「そんな屑いるけれど」
「あの人そんなドキュンと変わらないわね」
富美子に冷めた目で述べた。
「悪い遊びはしなくても」
「社会的価値で言うとね」
「そうよね」
「それでそんなドキュンなりね」
「その人にしても?」
「そう、どんな親だったのかね」
富美子はカードを収めつつ話した。
「知りたい位よ」
「そりゃやっぱりあれでしょ」
一華はその富美子にすぐに答えた。
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