第六十一話 合宿がはじまってその十
[8]前話 [2]次話
「それだとね」
「掛けても割ってもでしょ」
「零ね」
「せめてゼロコンマでも一があれば」
「どうにかなるわね」
「そうだけれど」
それでもと言うのだった。
「全くの零だとよ」
「どうにもならないわ」
「そうでしょ、だからどんな宗教や哲学でも救われない人はね」
「零点の人ね」
「もうそうなると」
それこそというのだ。
「そこに誰かが足せないと」
「どうにもならないのね」
「そして足すこともね」
これもというのだ。
「聞く耳持たないなら」
「誰も足せないのね」
「そういうものでしょ」
「そうなのね」
「だからね」
それでというのだ。
「そうした人はね」
「救われないのね」
「今お話してる人なんてね」
「まさに零点で」
「足すことすら出来ないから」
その零点の状況からというのだ。
「救われなくて」
「破滅するしかないのね」
「だから行方不明でしょ」
今現在そうだというのだ。
「天理教の教会のお世話になっても悪口ばかりで」
「天理教の仕組みのね」
「それで確かホームレスになって」
「そこから助けてもらって」
ホームレスになってもというのだ。
「お仕事と住むところ用意してもらって」
「随分よくしてもらってるわね」
「それでも悪口ばかりで」
「結局居場所なくなってね」
「行方不明でしょ」
「しかもあれよね」
理虹は眉を顰めさせて話した。
「自分の叔父さんに注意されてどついたろかって言い返したのよね」
「ああ、それもあったわね」
一華は理虹に言われてその話を思い出した。
「何かね」
「脳梗塞で倒れられて回復したけれど」
「まだ後遺症ある人にね」
「言われて」
「どついたろかよね」
「自分の叔父さんでしかも身体の悪い人にね」
そうした人にというのだ。
「そう言うのもね」
「最低よね」
「しかもちょっと言われただけみたいだし」
「それで言い返して」
「あまつさえそんな言葉でだから」
「救い様がないわね」
一華はあらためて思って述べた。
「もう」
「そんな人はもうね」
「何しても救われないわね」
「他の行いと合わせると」
五人でこれまで話してきたそれをというのだ。
「もうね」
「どうしようもないわね」
「そうでしょ」
理虹は眉を顰めさせたまま言い切った。
「最早」
「それで救われないのね」
「そうよ、今私達お話してるけれど」
「救われるにもある程度のものが必要なのね」
「あまりにも酷いと」
人としてというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ