第六十一話 合宿がはじまってその八
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「聞かないし逆にね」
「感謝しないでね」
「恨むとか」
そうしたことをすればというのだ。
「救われる筈ないわよ」
「そうよね」
かな恵も言った。
「やっぱり」
「だからかな恵の言う通りよ」
「どんな宗教や哲学でもなのね」
「救われない人っているのよ」
「救われるにもある程度のレベルが必要ってことね」
「そうじゃない?今お話してる人なんてね」
それこそというのだ。
「五十代で中二病だし」
「自分はこの世で一番偉いと思い込んでる」
「そんな人だから」
「奥さんにも逃げられた」
「そうした人だから」
だからだというのだ。
「救われるなんてね」
「ないのね」
「ちょっとでもよ」
一華ははそれこそという口調であがりつつ言った。
「教えられたことを受け入れて」
「その通りにしたら」
「救われるけれど」
「宗教の教えを言われて」
「逆にその宗教団体の仕組みをどうとか言うとか」
その様ならというのだ。
「どうしようもないでしょ」
「しかも行いもあらためないし」
「そんな人が救われるか」
「その筈がないってことね」
「そうでしょ、どうせあれでしょ」
一華は苦い顔で述べた。
「自分がこの世で一番偉いから」
「何言われてもなの」
「小者の戯言みたいにね」
その様にというのだ。
「思ってね」
「聞かないのね」
「それで何かに気付いてそれを指摘出来る自分偉い」
「そう思いたいのね」
「それで言ってるだけでしょ」
「あれね、何かを批判してるとね」
富美子はいよいよジョーカーがそのままで焦ってきていた、このままでは最下位になると思いつつもやはり顔には出さない。
「問題に気付いてそれを言える自分ってね」
「偉いってね」
一華は富美子にも応えた。
「思い込めるわよね」
「頭いいともね」
「何でも無批判に受け入れるよりも」
「その方がいいってね」
「それでそんな自分恰好いい」
「そうも思うのね」
「だからね」
そうしたことを思えるからだというのだ。
「ああした人ってね」
「あれこれ批判するのね」
「けれどそんなのどうでもよくない?」
一華は眉を顰めさせ口をへの字にさせて述べた。
「宗教壇台の仕組みとか」
「本当にそうよね」
富美子もそれはと応えた。
「そんなこと言うよりもね」
「自分がまずよ」
「教えを聞いてね」
「それを心に留めて」
そうしてというのだ。
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