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ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
四人で紡ぐ物語◆グリームアイズ
第二十九話 コーバッツ
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用回復クエストを受けられるのは唯一始まりの街、それも転移門付近のクエストボードだけ。他の街は入った途端警備のNPCプレイヤーに拘束され牢屋に送られるからだ。そういうわけで始まりの街を訪れたシリカは、たまたま任務から帰る途中だったコーバッツの部隊に出くわし、囲まれ、殺されたくなかったらアイテムと武器を置いて牢屋まで来いと言われたため返り討ちにしたのだった。

「おのれ、あの時の恨み……」
「あれはあたしの言い分を聞かずにいきなり取り囲んだあなたたちも悪かったと思うんですけど!?」
「やかましい! オレンジ風情が分かったような口を利くな!」
「ちょっとはあたしの話も聞いてくださいよ、今はグリーンじゃないですか!」
「うるさい! オレンジの話しなぞ聞く価値はない!」

 いきなりシリカの目前にデュエルの申請画面が現れた。
「あの時の恨み、今ここで……!」
「ああもう、どうしたら話を聞いて貰えるんですか!」
「私に勝ったら話でもなんでも聞いてやろう! 最も、お前に私が倒せるとは思えないけどな!」
「言いましたね? それじゃあ受けて立ちます!」
「『半減決着モード』を選びたまえ、全力で叩き潰してやる!」
 画面には『初撃決着モード』と『半減決着モード』の二つの選択肢が表示されている。シリカは迷わず『初撃決着モード』をタップし、そのデュエルを受けた。

「貴様、何故『半減決着モード』を選ばなかった?」
「初撃の方があたしに都合がいいからですよ」
「なんだと……?」
 コーバッツが一瞬戸惑う。二人の間の空間に浮かぶカウントダウンが0を示し、その表示が消えると共に……

 シリカの右手から閃光が迸ると、それは突進技を発動してシリカに襲いかかる最中のコーバッツの肩に突き刺さった。この世界最速のソードスキルの一つ、『アーク』である。クリティカルヒットの証である、赤い火花が散った。

 コーバッツは自分の肩に深々と突き刺さった短剣を凝視し、あり得ない、とつぶやいた。耐え切れず、地面に膝を付く。
「投剣相手に突進技は致命的ですよ、コーバッツさん。避けられないじゃないですか。……それじゃ、わたしの話、聞いてくれますね?」
「くそ……、好きにしろッ」
「それじゃ、話します。ええと、あの時わたしは信用回復クエストを受けに始まりの街に来てたんですよ。あそこじゃないと受けられないので」
「だからどうした! 貴様何が言いたい!?」
「あたしは仲間を説得する時に、ええと、訳あってHPを減らしちゃったんですよ。それでオレンジカーソルになっちゃっただけで、別に犯罪をしたとかそんなんじゃないんです」
「なん……だと……」
「つまり、わたしが言いたいのは、わたしは犯罪者じゃないってことです。オレンジカーソルだからって犯罪者だって決めつけないで欲
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