第八十三話 合宿前日その九
[8]前話 [2]次話
「革命と同じです」
「革命はよくないんですね」
「あれは一見鮮やかに何もかもを変えますが」
「フランス革命でもロシア革命でも」
「多くの血が流れ」
そうしてというのだ。
「また多くの破壊も行われます」
「どっちの革命もそうでしたね」
「清教徒革命もです」
イギリスのこれもというのだ、オリバー=クロムウェルが活躍したことでも知られている革命である。
「あれは独裁者を生み出した」
「それだけの革命でしたか」
「クロムウェルという」
活躍はした、だが独裁者となり自分と意見が異なる者は容赦なく弾圧し流血も恐れなかった。しかもその政治は極めて厳格で窮屈なものだった。
「その独裁者を生み出してです」
「よくなかったですね」
「むしろ王制の方がです」
倒されたそちらの方がというのだ。
「ましな様な」
「酷いものでしたね」
「はい」
そうだったというのだ。
「これはフランス革命もロシア革命もですね」
「フランス革命もロベスピエールが出て」
「ギロチン政治を行いましたね」
「反対する人どころか怪しい人は、でしたね」
「皆です」
それこそ誰でもであった。
「裁判にかけてです」
「死刑判決を出して」
「即刻です」
まさにであった。
「ギロチン送りでした」
「そうでしたね」
「そしてロシア革命は」
今度はこの革命の話をした。
「共産党が政権を握り」
「物凄い数の人が死にましたね」
「特にスターリンが独裁者となってから」
「物凄かったですね」
「それが革命です」
そう呼ばれるものの本質だというのだ。
「実はナチスもです」
「革命って言ってたんですね」
「彼等も本質はソ連と同じでしたから」
共産党と、というのだ。
「フランス革命のジャコバン派が元であり」
「そのロベスピエールも」
「ですから革命を謡い」
「ああしたことをしたんですね」
「そうでした、革命は一見劇的に全てを変えますが」
そうであってもというのだ。
「副作用で、です」
「大勢の人が死んで」
「とんでもない独裁者が出て」
そうなってというのだ。
「碌なことになりません」
「そうしたものですね」
「劇薬を飲む様なもので」
速水はこう表現もした。
「碌なことがです」
「ありませんか」
「ですから物事は徐々にです」
「変えていくことですか」
「おおむねそうするといいうのです」
こう咲に話した。
「劇的に一気に変えようとせず」
「徐々にですか」
「変えていくことです」
「改善ですね」
「そうすることです」
「それがいいんですね」
「学校の先生の問題もそうです」
今話しているこの件もというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ